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快適なテレワーク環境でパソコン作業の疲れ、ストレスを軽減!その4つの改善方法とは

2022年8月24日

テーマ:専門家からの提言と考察

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: パソコントラブルITマネジメント

頭を使う作業は最もエネルギーを消費する

●最近はテレワークなどで長時間パソコン作業をすることが多くなりました。長時間作業すると特に目が疲れます。厚生労働省の「労働衛生管理のためのガイドライン」にも、一定時間休憩しながら作業するように・・という指針が出ています。

●また、目が疲れるだけでなく不思議とおなかも減ります。頭も疲れてきて考えがまとまらなくなってくることもあります。座っているのにパソコン作業はとても疲れるということは経験からも確かです。

●それを裏付けるのが以下の引用記事にある脳の仕組み。人間の脳の重さは体重の2%ほどとのことですが、呼吸で取り込んだ酸素や食物のエネルギーの消費量は体全体の約20%にもなり全臓器の中で消費量が最も多いそうです。

●引用記事

2017年10月のコラム
脳を安定して働かせられる食事とは(上)
大阪大学名誉教授・関西学院 産業医 杉田 義郎
https://kyosai.univcoop.or.jp/useful/column/col1710.html


●しかし、パソコン作業そのものより作業環境自体が疲れやすい状態になっていることも少なくはありません。少しでも疲労を軽減できるような作業環境を整えることが出来れば効率アップや、やる気の向上にもつながります。

●では、どんなことが疲れにくいパソコンの作業環境作りになるのでしょうか。これまで数多くの出張サポート現場で、実際に様々なPC作業環境を経験し着座して作業してきて分かった4つの要素を今回はご紹介したいと思います。

1.入力装置(キーボード・マウス)の改善

●入力装置とはキーボード、マウスのこと。キーボード・マウスは人間の考えを機械に伝えるため直接操作し入力する装置です。ですから操作性が良くなくては快適な入力はできません。また、繊細さや正確さも必要です。

●ところが、品質に対して無頓着であったり、自分に合わない入力機器を我慢して使用しているため気づかないうちにストレスを増やしてしまっている場合があります。

●短時間なら我慢できても長時間の作業になれば、そのような自分に合わない入力装置で作業すること自体が疲れの元になります。自分の思うように動作しない入力装置はそれだけでストレス発生装置になってしまうのです。

●せっかく前から使っているので・・とか、もったいないからという動機だけで古くなって消耗が激しいようなヨレヨレの入力装置を使い続けるのはよくありません。

●ほこりだらけのキーボードならまだましで、一部のキーが効きにくかったりキーが外れかかっている、どころかキーがいくつかなくなっているようなキーボードで作業している人もいました。

●カーソルがたびたび飛んだりクリック操作がおかしい古いマウスもストレス発生装置です。実際にサポート現場ではクリックすると連打になる怪しいマウスやスクロールが進まなかったり戻ったりするマウスなどに遭遇します。

●そういう場合はサポート作業が進みませんから、普段からマイマウスを持ち歩いていますのでそれを使うことになります。

●そんな劣悪な状況を解決するには、思い切って入力装置を買い替えてみましょう。自分にぴったり合うものに買い替える決断が必要です。今時、キーボードマウスは消耗品ですから贅沢のうちには入りません。

●通販で高評価のものを購入してもいいですか、できるだけキーボード、マウスは展示してある量販店などに足を運んでキータッチなど、実際に触ってみて確認して購入するほうが間違いありません。操作してみて自分が納得できることが必要でなるべく妥協しないことが改善への一歩です。

●自分に合わないキーボード・マウスはどんなに安くても高くても避けるべきです。高くても良くないものもあるし、安くてもいい物もありますので価格だけで判断するのは間違いです。

●無線式のコードレスマウス、キーボードはタイムラグが気になるものもあります。敏感な人にとってはタイムラグは不快に直結します。遅延が気になる場合は有線のものが最適でしょう。

●入力装置は一度買ったら長年使うものですから多少高価でも、自分に合うものを見つけてイライラの発生源にならないようにしましょう。




2.遅いパソコン端末とネットワークの改善

●パソコンがおそいとイライラするのは当然です。ネットがなかなか開かないだけでなく何をするにも遅い、反応がワンテンポ遅れるというようなパソコンを使っている場合、作業時間も伸びて疲れもかなり大きくなります。

●遅いパソコン端末はメモリの増設や肥大化したファイルの削除、ストレージの空き容量の確保、必要のない常駐物の停止、ネットワークの見直しなど改善方法はたくさんあります。

●また、規格が古いルーターや古いWi-Fi規格、遅いネット回線もインターネット表示を遅くする原因です。予算上限でできる限り高速な回線に見直すなどネットワーク環境を再構築しましょう。

●端末環境の改善を行ってサクサク動作するパソコンで作業することはイライラの解消に最も効果的です。

●会社のパソコンがあまりに遅くては、モチベーションも上がらず仕事がはかどりません。経営者や管理者はIT環境の改善の一環としてまずは端末環境改善に取り組んで、疲れにくい作業環境を用意すれば社員の作業効率アップを図ることが可能です。


3.モニタ(ディスプレー)の改善

●入力装置と共に配慮したいのがモニタ。目で直接見ることになるモニタも状況次第では疲労の原因となります。特に気をつけたいのが反射。要するに「映り込み」です。多くのビジネスモデルPCはノングレアと言う非光沢液晶になっています。個人用モデルではグレアという鏡のような反射がある光沢仕上げの液晶が一般的です。その理由は以前のコラムで述べていますので参照ください。

●家庭用(個人向け)と業務用(法人向け)のパソコンは何がどう違うのか
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4005206

●光沢液晶は見た目がきれいですが背景の映り込みなどによって見え辛く、非光沢液晶と比べて作業の上では疲れ易い傾向にあります。疲労の軽減には映り込みがほとんどないノングレア(非光沢)液晶のモニタを選択した方が良いでしょう。

●古いデスクトップの液晶モニタの場合、アナログ方式の液晶モニタがまだ数多く使用されています。周波数やフェーズ調整が正しく行われていないと滲んだような表示になり目が疲れる原因になります。モニタ本体の調整用ボタン操作で適切な調整が必要です。

●それから、最近ではほとんどの液晶モニタでバックライトがLED化しています。LED化で長寿命化や省電力化など改善された部分もあります。特に画面が綺麗になったことはユーザーにとって喜ばしいことですが、LED液晶は標準でも明るすぎる傾向で目が疲れやすくなります。

●最近のLED液晶画面はぱっと見の明るさと美しさに感心してしまいますが、目の疲れを考えた明度調節を忘れずに行ってください。


4.疲れの最大の要因は椅子とデスク

●パソコン作業環境を快適にするために最も影響がある要因はデスクと椅子です。出張サポートで訪問する一般の家庭ではホームセンターなどで1万円前後で安く簡単に入手出来る手軽な組立式のパソコンデスクを使っているところが多いようです。

●しかし、安くても品質が良くないものは強度があまりなく、上段に乗せたプリンタが印刷を始めると同時にデスク全体が左右に大きく揺れてしまうようなものがあります。

●そんなデスクは、キーボードの入力作業だけでもゆらゆらして、ディスプレー画面も左右に揺れるので落ち着いて作業できません。こんな作業環境では疲れはたまる一方になってしまいます。

●それから椅子にも問題が・・。出張サポートの現場でよく見かけるのがパイプ丸椅子や折りたたみパイプ椅子です。確かにそういうものは安く済みますが、長時間の作業には全くの不向きです。座面が狭く安定性がないので姿勢が保てないのはもちろんのことお尻や腰も痛くなるし、肩こりの原因にもなります。

●パソコンを選ぶ時に、他より5~10万円高い不必要に高性能なハイエンド機を買うならば、その5万10万の差額で上質なデスクと椅子を買った方がはるかに疲労軽減になり作業環境が良くなると思います。デスクと椅子はパソコンより長く使う事になるかもしれませんので、入力装置同様、自分に合った上質なものを選びましょう。



●テレワーク時代で長時間パソコンで作業をすることが多くなります。上記4つの要素の改善でパソコン作業の疲れはかなり軽減するかと思います。体に優しい作業環境づくりに役立ててください。

九州インターワークス
パソコンの安定化対策
http://www.kumin.ne.jp/antei.htm

この記事を書いたプロ

古賀竜一

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一(九州インターワークス)

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