ASUS Androidタブレット Memopad7 me176cのバッテリー交換の事例
木造家屋なのにWi-Fi無線LANが届きにくい
●昨日のサポート依頼は無線LAN設定でした。ルータが古いため買い換えたということで設定のご依頼です。
●ルータの設置場所は家屋中央付近の廊下の天井近くと、Wi-Fi親機としては最適な環境条件です。
●実際に端末を使用する場所は、2部屋隔てた書斎です。早速設定を行おうとしましたがどうも電波が弱い。PCのWi-Fiアイコンアンテナ表示で1~2本とかなりの弱さです。その上安定していません。無線LANルータは最新機種で価格も高めの高機能ルータ。戸建てなら3階建てまで余裕で届くというもの。ですから親機のパフォーマンス不足による問題ではないようです。
●鉄筋コンクリート造や鉄骨構造の建物内では無線LANやその他の電波が届きにくいというのは良く聞きますが、今回の家屋は在来工法の木造住宅ですから特に問題ないはずです。
●無線子機に問題があるのかもしれないと思っていたところ、ご依頼者の奥様が廊下越しの部屋から「タブレットも設定して欲しい」ということでしたので隣の部屋でタブレットの設定に移った時に、異変に気が付きました。
●タブレットのWi-Fi受信状況もアンテナ表示で2~3本になっているのです。壁1枚を隔てた廊下のすぐそこの親機ですから距離には問題なく、アンテナはフル表示のはず。これはどう考えてもおかしいと思い、そこで改めて宅内を見渡してみました。
●すると壁がどの部屋もすべて"しっくい"(漆喰)ということに気がついたのです。特にPC端末を使用する部屋はルータとの間に壁4枚以上、裏表合わせて8枚の"しっくい壁"が障害物となっています。けれども、3階まで届くというルータですから、そのくらいで届かないのはおかしいわけで、このルータ表記は誇大表示か?と疑ってもみたくなりました。
●とりあえず、ノートPCのUSB無線子機を延長ケーブルで伸ばし、少しでも電波状況を受信側で改善して対処するということに落ち着きました。
※無線LAN電波は親機から近いと快適だが、距離が離れると減衰が著しい。
"しっくい"壁はコンクリート並?
●しかし、エンジニアの端くれとしては今回の件はどうも釈然としません。そこで事務所に戻り、"しっくい"について調べてみました。
●しっくいは水酸化カルシウム、炭酸カルシウムが主成分。要はカルシウムの化合物です。日本では昔から壁や建築の素材として使用されていて、耐火性や耐水性などに優れているとのこと。鉱物として広く存在していて、鍾乳洞などでみられる鍾乳石は炭酸カルシウムでできています。
●鉱物ですから密度も比較的高いのが特徴。2.2g/cm3から2.7g/cm3と、コンクリート並の密度です。カルシウムは、動物の骨などを形成している成分でも有りますが、レントゲンで骨が映るのは、X線が密度の高い骨の部分は透過しにくくその"影"ができるためです。
●レントゲンで使用するX線も電磁波ですから電波の一種には変わりありません。ということは、コンクリート並みに密度の高いカルシウム化合物の"しっくい"も電波が透過しにくいということに他なりません。
●実際に電磁波遮蔽シールドとして炭酸カルシウム版などが使用されているということもあるようです。カルシウムは成分的には鉱物ですが化学的には「金属」の部類ですから電波の障害になるのも納得です。
●そう考えていくと、木造でもカルシウム成分のある「しっくい壁」の家屋では無線LAN電波が届きにくいのは当然だということになります。これでとりあえず謎は解決。ルータの表記も誇大表示ではなかったようです。
●しっくい壁でないのに届きにくい家屋の無線LANの対処法は以下の以前のコラムで紹介いたしましたのでご参考ください。
自宅Wi-Fiでスマホ、タブレットの動画を快適に見る方法
http://mbp-japan.com/fukuoka/pc-pro/column/8955/
途切れる、接続しないを解消!快適無線LAN(Wi-Fi)、3つの方法
http://mbp-japan.com/fukuoka/pc-pro/column/8226/
●最後に、日本の無線LAN規格は、電波自体が微弱で家屋内に限って使用する前提となっています。ですからあまりに多大な期待をしてしまうと落胆も大きくなります。導入や入替えの際は中継器等の利用も前提に、計画的に検討する必要があります。
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「パソコンがおそい、固まる主な原因」
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