IT関連商品も充実の100円均一ショップ、価値ある使い方と利用法とは
消えるといわれていた電卓

皆さんは電卓をお持ちでしょうか?
どこの家庭やオフィスの机の上にもある、あの見慣れた電卓のことです。
パソコンが普及し始めた頃、パソコンで計算できるから「これから電卓はなくなっていくだろう」と言われたことがありました。
しかし、電卓は今も健在です。
百円ショップには豊富なラインナップが並び、メーカーからも多種多様なモデルが今なお販売されています。
デスクワークをする人なら一人1台は今でも所有しているのではないでしょうか。
驚くのは、最近見かけたのですが、何と!ATMの画面の横にも電卓が用意されている場合があります。
オフィスでも、パソコンの横に電卓が並んでいる光景は、今でも当たり前の必需品となっています。
ところが、パソコン、スマホ、タブレットなど、大抵のIT機器には電卓機能が標準装備されています。
ネットで「電卓」と検索すれば、ブラウザ上でそのまま計算することも可能です。
これほどIT機器の電卓機能が普及しているにもかかわらず、「物理的な電卓」そのものがなくならないのはなぜでしょうか?
これには様々な理由が考えられますが、ITサポートエンジニアの視点から考えるものを3つ挙げてみます。
1. 圧倒的な手軽さ

すぐに計算したい時、目の前にある電卓なら、手にとって計算を始めるまで数秒とかかりません。
その手軽さ故の手放せないメリットがあります。
PCやスマホでも工夫次第で起動を早めることはできますが、本物の電卓のスピードには及びません。
特にアプリのショートカットをスマートに配置していなければ、探すだけでもたつくだけです。
※Windows標準装備の「電卓」
2. 確かな操作感

スマホやタブレットの電卓は、画面をタップしたりマウスでクリックしたりして操作します。
しかし、これらは画面上の疑似的な操作であり、人間的な「手応え」が操作感として得にくい性質があります。
一方、電卓は実際に物理的なボタンを押し込んで入力します。
その指先に伝わる「入力感」が人間の感覚的な確かさを生み、操作に対する安心感や信頼感に繋がっているのです。
スマホやタブレットの画面キーボードに、入力時の効果音やバイブ振動を付加する機能があること自体、タップやクリックだけでは操作感が得にくいという証拠でしょう。
これは、両者の決定的な違いと言えます。
パソコンにはキーボードがありますが、テンキーがないモデルは入力しづらく、テンキーがあっても視線が手元と画面を行ったり来たりするため、どうしても疲れてしまいます。
その点、電卓は入力するキーと表示される画面が同じ場所(視野の中)にあるため、目で確認しながら迷わず入力できる点も、操作の確かさ(安心感)に繋がっていると言えます。
3. 単機能ゆえの信頼感

電卓は「計算するだけ」の単機能です。
仕組みもシンプルで、誰もが直感的に扱えて、自分のコントロール下に置ける機器です。そのシンプルさが、かえって高い信頼感を生んでいます。
パソコンやスマホは高度なコンピュータであるがゆえに、電卓アプリでもいろんな機能があり、操作一つで予期しないことになったりします。
特に機械が苦手な方や高齢の方にとっては、慣れも含めて電卓のほうが圧倒的に使いやすいという側面もあるはずです。
AI時代、それでなければならない「何か」を持つことの強み

以上のように、電卓には「電卓であること」自体に独自の価値があり、非常に面白い存在になっています。
最近よく「パソコンはいらなくなった、スマホで十分」という声を聞きます。
しかし、パソコンの存在意義を完全に失わせるほどの端末がすぐに登場するとは思いませんし、パソコンにはすでに「パソコンにしかできないこと」があります。
電卓と同じように、多少シェアは減っても、なくなることはないと言えるのではないでしょうか。
電卓は、日本の高度経済成長期に最もアグレッシブな商材として世界中に大きなインパクトを与えました。
今でこそ地味な存在になりましたが、その実用性は未だに健在です。
昨今、メディアではAIの普及で「消えていく職業」や「なくなる職種」が話題になっています。
確かにテクノロジーの進化で減少していくものはあるでしょう。
しかし、電卓のように「それでなければならない何か」を見つけることができれば、時代が変わってもニーズと合致し、新たな需要を喚起できるかもしれません。
少し視点を変えるだけで、見えてくる世界があるはずです。
もし今、仕事で行き詰まっているのならば、パソコンの横で対等以上に頑張っている机の上の小さな「電卓」をリスペクトしてみてください。
そこから自己を啓発し、新たなチャレンジへのヒントが見つかるかもしれません。
筆者実績:http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss



