デジタルデータは本当に劣化しないのか?意外と知られていないデジタルデータの落とし穴
回線業者のしつこい電話急増の背景とは?
●Yahoo!知恵袋で、コンピュータカテゴリ専門家をさせていただいていますが、悪質なネット回線業者に強引に回線契約や乗り換え契約をさせられたという相談がたくさんあるようです。下記は私が回答リクエストをいただいたその一例。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11145618691
●最近は、様々な原因でパソコンの動作やインターネットの表示が遅くなっているお宅がかなりたくさんあります。しかしどこかしらの"光回線"と既に契約していれば、余程のことがない限り回線速度自体にはほとんど問題が無いはずなんです。パソコンやネットがおそい原因の殆どはパソコン自体やルータ、モデムなど機器側の問題、またはローカル側回線の環境に問題があることが多いのです。
●回線業者はそういったユーザーの実態を熟知していて、「回線を変えたらパソコンが快適になりますよ」と勧誘してきます。遅いパソコンにいつもイライラしていると、「そうなのかしら?」 とついその気にさせられてしまいます。
●言葉巧みに、速度が早くなるとか料金が安くなるだとか良い事ばかりを並べて畳み掛けてきますから、これはいい話かもしれない!と話に乗ってしまう人もいるようです。しかしほとんどの人がこういった営業電話にはうんざりで、迷惑この上ないと思っていますから決して人から喜ばれる仕事ではないはずです。でもなぜ、回線業者は嫌がられてまで必死になって売り込んでくるのでしょうか?
●近年、IT関連商材も消費税率アップや構造不況による消費低迷で売上げ低下や利益率の減少に見舞われていて、売上・利益確保が難しくなっています。
●その中にあっても、ネット回線契約受注は手数料収入が比較的大きく、他の商材を売るよりもはるかに効率の良い商売となるために、IT事業者や代理店にとっては食いつないでいくためのひとつの策でもあります。そのため最近の強引な勧誘激増の一因ともなっているようです。
●また、回線の自由化でNTTの光回線の卸売が始まっていて、参入各社が花見の場所取りのように顧客獲得に奔走を始めていることも要因になっています。そのような「光コラボ契約」の場合、NTTとの契約から離れて、契約した会社との回線契約になりますから注意が必要です。
●NTTの請求書にネット代金の記載があっても、実際はNTTとの契約にはなっていないことがあります。今一度、請求書を確かめて電話で回線契約先は本当はどこなのかを確かめてみる必要があります。
電話をかけてきている会社の情報を知ることができる!
●回線業者は「NTTからのお知らせです」とか「○○の光です・・」などとCMでもお馴染みの大手会社名を前面に出して電話をかけて来ますが、そのほとんどがその会社とは関係のないまったく別会社の代理店です。事情をよくわかってないと"○○の光"から直接きた電話と思い込んで応じてしまうのですが、そう思わせるような巧みな話術を彼らは意図的に使っています。特に2次代理店ともなると、1次代理店の下位になるため責任の所在が希薄で、やりたい放題の強引さで勧誘してくるところがあります。
●中には最初から態度が横柄な社員がいたり、最初は紳士的な話し方だったのに途中で断ろうとしたり電話を切ろうとするとそれまでの話し方から豹変し、暴言を吐かれ怖い思いをした・・などサポート先のユーザーからもたくさん話を聞きます。そんな時、電話番号からその業者の名前など情報が分かるWebサイトがあります。検索欄に番号を入れるだけで業者名やこれまでにそこからの電話で嫌な思いをした方々のコメント、情報なども見ることができます。
日本、電話番号検索
勧誘の電話にまともに応じてしまうと・・・
●そのような業者はただ無駄に断られるために電話をしまくっているわけではありません。実はもっと怖い話があります。
電話に出るなり、いきなり
「今、どこの回線をお使いですか?」とか
「○○回線をお使いで間違いなかったでしょうか?」とか、
「○○回線をお使いいただきありがとうございます。」
など、話を始めることがあります。
●これは、親切とかアフターサービス、スマイル営業の一環で尋ねているわけではないのです。
●正直に「○○回線ではないです。」「今は○○回線を使っています。」と返答してはいけません。相手はそれを狙っているのです。自分の本当の情報を相手に与えることになってしまいます。
●インターネット回線は、今では飽和状態なっているため新規契約の獲得はかなり難しく、あの手この手を使って乗り換えをすすめてくるのです。しかし、個人宅のどこがどんな回線を使っているかは個人情報保護で厳しい今時は容易に分かりません。
●かといって毎回ランダムにあちこち電話をかけていても効率が悪い。そこで、回線が何であるかの情報を効率よく収集し、狙いを定めやすくするためにそのような話をおもむろに始めるのです。要するに鎌をかけているわけです。
●ライバル会社の回線と分かったらしめたもの・・・とばかり、乗り換え契約でひっくり返すために何度も電話してきてはそれこそ猛攻を仕掛けてくるのです。
●ですから回線業者の問いかけには一切応じてはいけません。私はだまされない・・といっている人ほどだまされやすいもので、「うちはNTTじゃないよ!」とつい口走ってしまうもの。その時点であなたの回線契約先がNTTではないという情報が渡っています。
●また、とても丁寧でやたら下手に出てくる営業マンは姉さん気質や親分気質の人の心理を手玉に取ります。「簡単に若造の営業マンごときにやられないぞ!」と思っていても、相手も海千山千ですから気がついたときには契約させられている・・・そういうパターンは多いのです。
撃退に効果的でない対応
●「わかりません」とか「忙しいです」とかは想定内の受け答えですから撃退効果は薄く、逆に「じゃあ、いつなら忙しくないですか?」と返してきて相手に有利に話を運ばれてしまいます。また、これらの言葉ははっきりと断っているという意思表示にはなっていません。相手はそこもよくわかっていて、「無碍(むげ)に断ると悪い気がする・・・」という人物特定のフィルターにしているのです。
●優柔不断な態度は相手の思う壺ですから自分の意思表示をはっきりさせておく必要があります。そこで、勧誘などの際に相手を引き下がらせるのに一番効く言葉というものがあります。それはどういう言葉かというと・・・
撃退に最も効果的な言葉とは・・・
●最善の受け答えとしては、「今のままで何も支障が無いので必要ありません」ときっちりと答えましょう。
●ここで重要なのが「必要ありません」という言葉です。英語で大切な人に言う言葉は「I need you」です。直訳で「私にはあなたが必要です」ということ。人は誰かに必要とされているということで生きる意味を感じるそうです。
●そういわれたら誰でも悪い気はしません。ところが逆に「必要ない」といわれたらどうでしょう。会社や組織、仲間などからそういわれたらどんな言葉よりもショックです。それだけ「必要ない」という言葉は効きます。豪腕営業といっても人の子です。そんな言葉を言われたら引き下がるほかないのです。言うときは、はっきりと「必要ありません」と言ったほうが効果が高いようです。これは私も毎回試していますが、なぜか魔法のように効きます。
●そういうことよりも、いらないとはっきり意思表示をしているのに執拗に迫った場合、今では法に触れる可能性があるため、「必要ない」が効くわけです。2019年から回線販売事業者は総務省の「媒介事業者登録」が必要です。許可制になっています。この制度ができた大きな理由は、強引であったり違法な方法で回線契約をさせる行為が後を絶たないためです。
●しかし、この登録許可制になってからも強引な売り込みはなくなっていません。迷惑行為やしつこい売り込み被害に遭った場合は以下の連絡先に通報しましょう。
総務省「電気通信消費者情報コーナー」
●自分の回線に問題がある場合や契約が最適か、価格はどうなのかなど疑問に思った場合は、かかってきた勧誘電話で「渡りに船」とばかりいきなり回線を乗り換えるのではなく、まず、ユーザー目線で相談できる専門家に相談しましょう。
●パソコンやインターネットのページが開くのが遅いのはほとんどパソコンが原因。普通の光回線であれば更に他の光回線に変わったところで爆速になんかなることはありません。回線業者の餌食になる前にきちんと診断をうけましょう。
NetProve ネットプローブ「情報管理サービス」
九州インターワークス
http://www.kumin.ne.jp/kiw/security.html