「高層三角ビル」計画:「パリ」

高塚哲治

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 「パリ」(Paris)市議会は、南西部「ポルト・ド・ベルサイユ」(Porte de Versailles)地区にある「パリ見本市展示会場」(Parc des Expositions)の中に計画されていた三角形の高層ビル建設が、賛成78票、反対83票で否決されました。
 スイス「バーゼル」(Basel)の建築設計事務所「ヘルツォーク&ド・ムーロン」(Herzog & de Meuron)が設計を手がける高層ビル「トゥール・トリアングル(Tour Triangle)」が完成すれば2017年までに、地上43階、高さ180mの三角形の複合ビルに展示場やコンサートホールが入居する予定でした。
 「パリ」では1973年にオープンした210mの高層ビル「トゥール・モンバルナス」(Tour Montparnasse)」が、芸術家の街といわれた南部「モンパルナス(Montparnasse)地区」の景観を壊したと酷評され、中心部の建設物の高さを37m以内に規制する条例ができました。
 しかし、2010年に条例が改定され、「パリ」市外を囲む環状線周辺では集合住宅で50m、商業建築物で180mの高さまで許可するようになりました。
 これを受けて、「トゥール・トリアングル」は2013年7月に建設が認可されましたが、すぐに「環境運動家」や「景観保護活動家」が反対し、市民からも大きな支持を受けていました。
 また「ロンドン」の高層ビル「ガーキン(Gherkin)」を設計した英建築家「ノーマン・フォスター」(Norman Foster)さんも『パリに高層ビルは不要だ。』と支援にまわり、「国連教育科学文化機関」(UNESCO、ユネスコ)も論争に分け入り『現存する数少ない水平な都市』の景観を脅かす問題だと警告したのです。
 「パリ」市民の大半の反対にもかかわらず計画を後押ししてきた「アンヌ・イダルゴ」(Anne Hidalgo)市長は、市議会の否決を受け、投票の無効を訴える法的措置も辞さないといいます。








(2014.11.26:讀賣新聞)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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