「外資系高級ホテル」続々と進出:「京都」
「国連教育科学文化機関(ユネスコ)」の国内委員会は、「世界の記憶」(通称「世界記憶遺産」)の2015年登録を目指す国内候補に関する選定委員会を開き、申請のあった4件から、京都市の東寺に伝わる国宝「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」と、第二次大戦後のシベリア抑留者の引き揚げ記録「舞鶴への生還」の2件を選定しました。
今月中に「ユネスコ」に通知し、登録の可否が2015年5月〜8月に審議される予定です。
「世界記憶遺産」の審査は1年に1回あり、自治体や団体が独自に「ユネスコ」に申請できるようですが、同時期の推薦は原則として一つの国で2件以内のため、初の国内選考を実施したといいます。
「東寺百合文書」(申請者:政府)は1000年以上にわたり「東寺」に伝わる約25000点の文書で、仏教史や寺院史の研究上、貴重な史料といわれます。「足利義満」の直筆や、「織田信長」の印が入った文書もあり、保存性や日本文化の優れた点を示すことが評価されました。
「舞鶴への生還」(申請者:京都府舞鶴市)は、抑留者がシラカバの皮につづった「白樺日誌」など570点で、市の文化財に指定され、世界的な重要性などが高い評価を受けています。
この2点のほかに、「知覧特攻平和会館」にある「特攻隊員の手紙や遺書」(申請者:鹿児島県南九州市)、部落解放運動に関する「全国水平社創立宣言」と関係資料(申請者:奈良人権文化財団など)が申請されていましたが、2件に絞るよう「ユネスコ」から通知されていました。
「特攻隊員の手紙」は「日本からの視点のみの説明。世界的な重要性の説明が望まれる」との指摘を受け、「全国水平社創立宣言」は保存性や公開性の説明が必要とされたようです。
「記憶遺産」は、世界各地の古文書や絵画を保護するのが目的で、1992年から始まり、今年1月現在で世界の301件が登録されています。
国内では、福岡県田川市などが申請した「山本作兵衛炭坑記録画/記録文書」が2011年に、江戸時代の鎖国直前の日欧交渉を伝える「慶長遣欧使節関係資料」と、「藤原道長」の自筆日記「御堂関白記」の2件が2013年に登録されています。
《2014.06.13讀賣新聞》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所