「華麗なるギャッツビー」:作家「スコット・フィッツジェラルド」
7月に解体工事を始める予定の「新国立競技場」の基本設計案が、ようやく明らかになりました。
「日本スポーツ振興センター」(JSC)は5月28日、基本設計案を有識者会議に示し、その場で了承を得たといいます。総工費は1625億円(現在の国立競技場の解体費を除く)で、2019年3月の完成予定です。
敷地面積は約11万3000㎡と現競技場より4万㎡大きくなり、収容人数は5万4000人から8万人へ増えます。
英国の建築家、「ザハ・ハティド氏」のデザインをコンペで採用しましたが、施設が巨大過ぎて景観を壊すこと、予算が予定していた1300億円から3000億円に膨らむことが問題視され、建築家などから反発が起こっていました。
今回の基本設計では、高さを75mから70mに抑え、周りの景観に配慮した模様です。地上6階、地下2階の鉄骨造で、スタンドは3層あり、屋根は開閉式でアーチ型のフレームで支える構造です。
遮音性の高い屋根を閉めた状態では、コンサートなどに利用することも想定しているようです。
ただ、予算面や景観面で課題が山積しています。総工費1625億円は2013年7月の単価による概算で、消費税も5%時のもの。現在の消費税は8%で、昨今の建設現場での人手不足や資材の高騰などを考慮すると、実際の費用は概算を上回る可能性があります。なぜ現在の状況に合わせて計算をし直していないのか、疑問が残るところです。
JSCは、大規模改修を検討していた時期があり、7万人収容規模への改修工事を4年の工期、総工費770億円で行えるとの試算結果もあるようです。
なぜ改修ではダメなのかについて、合理的な説明がなされていない状態で、来年10月の着工まで、まだ紆余曲折がありそうです。
《讀賣新聞14.05.29》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所