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高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「非構造部材の安全対策」

2014年3月26日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:欠陥住宅

コラムカテゴリ:住宅・建物

 「文部科学省」は、大地震で小中高校の「体育館」の窓ガラスの落下を防ぐため、補強を急ぐ方針です。
「東日本大震災」では被災3県を中心に220件の被害が確認され、そのうち34件は、けが人は確認されなかったものの、窓枠ごと落下する危険なケースだったといいます。
 耐震化が完了した「体育館」でも多発していたことが判明し、窓ガラスに特化した補強策を進める必要があるとしています。
 そこで、全国の自治体に対し、「体育館」の窓ガラスの被害が予想される校舎を選定し、優先的に補強するよう求め、校舎を新築する際の指針を定めた「学校施設整備指針」にも対策を反映させるとのことです。
 また、震災での被害を分析したところ、220件のうち、窓枠ごとの落下が34件、可動サッシの割れが142件、固定窓の破損は44件で、窓枠ごと落下したケースの6割超は、構造部分の耐震化が済んでいる体育館で起きていたそうです。
 尚、窓枠ごと落下ケースのうち、鉄筋コンクリートの柱よりも窓が外側に0.5~1.5メートル張り出した「片持ち構造」と呼ばれる構造が半数を占めたことも判明しています。この構造は、「柱」と「屋根」「窓」とを接合する「鉄骨」の強度が弱く、「東日本大震災」では窓が激しく上下に揺さぶられ、落下に至ったとみられています。
 公立学校の校舎の耐震化を進める一方、「つり天井」「照明」「窓ガラス」などの「非構造部材」の地震対策を議論する有識者会議が2012年度に設置され、同会議の中間的な提言を受け、「つり天井」については原則的に撤去する方針を昨年夏にまとめています。








《讀賣新聞14.03.22》

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