「豊中えびす祭」:服部天神宮
2013年は、世界でも珍しい「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ」「ラファエッロ」のいわゆる「イタリア・ルネサンスの三巨匠」の展覧会が揃っておこなわれる画期的な年となりました。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ・ブオナローティ」「ラファエロ・サンツィオ」の「ルネサンス美術」を代表する三巨人が、同じ都市に勢ぞろいした機会は、少なくとも2回あったと推測されています。
1度目は、1500年代初頭、「フィレンツェ」でのことです。銀行家「メディチ家」の富のもとで発達し、「ルネサンス文化」の中心地として栄えたこの都市の政庁舎(ヴェッキオ宮殿)の壁画を競作するよう、「レオナルド」と「ミケランジェロ」に依頼が来ました。1503年のことです。「レオナルド」は50歳を過ぎた円熟期にあり、「ミケランジェロ」は30歳前の気鋭の彫刻家として、名声を「イタリア」全土にとどろかせていました。2人ともに「フィレンツェ」近郊の出身です。
2人に課せられたテーマは、「フィレンツェ」礼賛です。そこで「レオナルド」は、1440年に「フィレンツェ軍」が「ミラノ軍」を破った「アンギアーリの戦い」を選びます。
これに対し「ミケランジェロ」は、水浴びしているところを急襲された「フィレンツェ軍」が、「ピサ軍」に逆転勝利する1364年の「カッシナの戦い」を描くことにしました。
2人は互いにライバルであることを認め合い、火花を散らし合います。そこへ翌1504年、地方都市「ペルージャ」から、画家として一旗揚げようとやって来たのが、まだ21歳の「ラファエロ」です。
自然観察を好む「レオナルド」の絵には「馬」に乗る兵士が、人体表現を追求する「ミケランジェロ」の絵には筋骨隆々たる「裸体」の男が、描かれていました。結局は、2人とも自分の得意とする画題を選んだのです。
(讀賣新聞:13.11.01)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所