「免振ゴム」性能不足
「東日本大震災」で天井の一部が崩落した「ミューザ川崎シンフォニーホール」(川崎市幸区)について、「川崎市」は建築主の「都市再生機構」(UR)と「清水建設」など施工業者7社に、復旧工事や被害調査などの費用として約20億5085万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしました。
訴状などによると、崩落は「吊り天井」を支える「吊りボルト」や「フック状金具」の設置間隔が広いことから、局所的に大きな力がかかったことが原因と指摘し、【建築当時の一般的技術水準に沿って設計、施工、工事監理を行う必要があったが、それを怠り、多大な被害を生じさせた。】などとしています。
損害額の内訳は■復旧工事=18億3525万円■被害調査=1707万円■安全点検=428万円などとなっています。
「UR」は【今回の事故を遺憾に思い、請求を重く受け止めている。訴状が届き次第、内容を検討の上、適切に対応した。】とコメントしているとのこと。
これまで「川崎市」は昨年12月以降2回に分け、「UR」と7社に対し、損害賠償を直接請求し、督促も行っていました。しかし、「UR」側は支払いには応じていなかったということです。
また、同ホールを本拠地とする「東京交響楽団」(東響)も「UR」と7社に対してチケット減収分の損害賠償や慰謝料を請求してきましたが、今回、「川崎市」が正式に提訴したことを受け、「東響」も近く損害賠償請求訴訟を起こす予定だそうです。
尚、「川崎市」に対して、「ホール復旧工事」の追加工事費の支払いを求め、施工者側が提訴した模様です。
(2013-9-10 NIKKEI ARCHITECTURE)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所