「ドイツ」景観重視が洪水対策に裏目

高塚哲治

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 5月末から6月上旬にかけ欧州中部9か国で25人が死亡した大洪水で、「グリマ」中心部は約1.5mまで泥水につかったようです。
 蛇行する川沿いにある「グリマ」は2002年にも同眉根の洪水に直撃されたことから、その2年後、「ザクセン州」と「欧州連合(EU)」が4000万ユーロ(約52催円)をかけ、「グリマ」に高さ約4.4mの「防水壁」と「水門」を全長約2kmにわたって建設する計画が始動し、工事は昨年で完了する予定でしたが、実際には計画の半分も進んでいないということです。
 「マティアス・ベルガー町長」は、建設認可の取得に時間かかかったのが原因だとし、『「防水壁」があれは、どれだけ被害を防げたか』と悔しそうです。
 対策の遅れは「グリマ」だけではないようで、独紙「ウェルト」によると、2002年の洪水後、「ザクセン州」内で着工が決まった洪水対策351事業のうち、完了したのは80事業のみ。
 「ドレスデンエ科大」の「ユルゲン・スタム教授」(治水学)は『景観保護や環境重視を理由にした反対運動が遅れを招く一因だ。』と指摘しています。
 国を挙げて財政健全化に努める中、起きる確率が低い洪水への対策を「お金の無駄」と見る、「現実的な」ドイツ人気質も裏目に出たようです。









(讀賣新聞:13.08.16夕刊)

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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