「ボストン美術館展」ジャポニズム
建築写真家「二川幸夫」さんは、確かな評価眼を通して見たものを建築写真として発表してきました。「フランク・ロイド・ライト」の全作品集を始め、近現代の名建築を撮った写真は世界で高く評価されています。80歳を越えた現在も、年の半分近くを海外取材に費やしているそうです。「二川幸夫」さんにとっての建築写真は、建築を記述・記録する手段であり、優れた建築しか撮らないというゆるぎない信条により、「未来の建築史」をかたちにしてきたといえます。
世界中を駆け巡ってきた「二川幸夫」さんの原点は、日本の古典を解釈しようと日本各地を歩いて回った学生時代の旅にさかのぼり、大学在学中に建築史教授の「田辺泰」さんの勧めで岐阜・高山の民家を訪ねたところにあります。日本民家の記録は、美術出版社の社長に見出され、俊英の建築史家「伊藤ていじ」さんを書き手に得て、全10巻の『日本の民家』として出版されています。民家の美しさをあますことなく引き出したこの写真集は、当時第一線で活躍する建築家たちからも高く評価され、「毎日出版文化賞」受賞の栄誉に輝いています。
《讀賣新聞2013.02.21》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所