「ボストン美術館展」ジャポニズム
前民主党政権は2011年5月、改正「PFI法」を成させ、フラン
スをはじめ欧米諸国で広がる「パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)」のうち、【施設は行政が所有したまま、「事業運営権(コンセッション)」だけを民間へ譲渡する方式】を、道路を除く大半の公共「インフラ」に適用できるようにし、「インフラ」での民間活用の拡大を狙うが、官公庁の職員たちのマインドが変わらない限り、空振りに終わる可能性は高いといいます。
また、「インフラ」の維持運営の担い手として期待される建設会社側では、仕事があっても労働者が集まらす、極度の人手不足に陥っています。建設業の新規求人倍率は直近で、全職業の平均を大きく上回る3倍を超える水準で推移しているようです。その原因は、建設現場で働く24歳以下の若者が年々減少していることにあります。
こうした実態が変わらない限り、いくら公共事業の予算を増やしても執行できず、雇用創出や景気回復に結びつかない可能性があるというわけです。
若者は同様に、土木技術者への道を敬遠し、大学の「士木工学科」を志望する高校生が激減しています。志願者を増やす狙いで学科の名称を「環境工学科」などに変更する大学まで出ています。
こうした状況を好転させて技術者や労働者の減少を食い止めなければ、国内の建設業は崩壊し、日本の「インフラ」は朽ち果てていくことになります。
ここで官が思い切って変わり、「インフラ」の維持運営を民間企業に任せ、欧州の建設会社のように「インフラ」の維持運営会社としての重要性が社会に認められれば、窮状の打開策にもつながるかもしれないとういことです。
「長い歴史の中で道路などを造ってきた欧州諸国と異なり、急ピッチで整備した「インフラ」が一斉に老朽化するのは、米国に続いて日本が世界で2番目だそうです。
《日経ビジネス2013.2.11》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所