「欠陥マンション」(東京・青山)発覚:【建築プロセスの最適化】の重要性
A.裁判
人々が社会生活を営んでいるところで、利害の対立や考え方の相違を巡る争いの発生を完全に避けることはできません。対立する当事者同士で解決できない場合のために「裁判所」が設けられ、すべて私人間の争いは「裁判所」の活動を通じて公権的に解決される仕組みになっています。
裁判では、当事者双方が訴訟法規にしたがって提出した「証拠」に基づき「裁判所」が事実関係と、これに「法律」を適用して公権的判断を示して紛争が強制的に解決されます。途中で「和解」によって紛争が解決することもあります。
B.建築関係訴訟
最も一般的な事件は建築関係訴訟事件といえます。建築主は、長年計画して家を建てたのにもかかわらず構造上の不具合があったり、仕上げが設計図書と相違したり、思いがけず追加工事代金を請求されたりというケースが度々あります。建築物はどのような構造が安全なのか、通常の仕上がりとはどの程度のものなのか、請負契約にはどこまで含まれるか、などは専門家でない限り十分に理解はできないものです。
このような事件が裁判として取り上げられ建築関係訴訟となります。建築関係訴訟の中で数の多いものとしては、「建築請負代金請求訴訟」と瑕疵を原因とした「損害賠償請求訴訟」です。また、「建築請負代金請求訴訟」では、建築請負契約に基づく未払い代金の請求や、建築の追加変更工事に基づく請求、出来高による請求などが多く見られます。これに対して、「損害賠償請求訴訟」は、数多くの建築上の瑕疵問題であり、これらに基づく「瑕疵担保責任」や「契約違反(債務不履行)責任」や「不法行為責任」の追求等になります。
C.調停
「民事調停法」は、「民事に関する紛争につき、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする。」(民事調停法第1条)と位置づけられ、民事紛争解決に用いられる法律の1つです。
民事訴訟手続は、当事者の主張する事実有無を証拠に、「法律」を適用して権利や法律関係の存否を確定の上、公権的な判断により紛争を強制的に解決ものです。これに対し,民事調停手続では、「調停委員会」を構成する裁判官/調停委員が当事者方の言い分を聞き、「証拠調べ」や事実を調査し、法律的な判断を基本に紛争の実情に応じた「調停案」を提示して当事者を説得し、主張をお互いに譲歩させ解決することを目的としています。「調停」はプライバシーを厳守するために非公開で行われています。
訴訟および付調停の流れは図のとおりです。
調査鑑定/設計監理/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所