「上棟式」:「建築って何(80)」
建築行為においては「コスト」と「プライス」が明確になっていません。一般に物品(食料品、衣料品、耐久消費税、等々)は、売り手側が示す価格が「プライス」であり、この価格が買い手側にとっての「コスト」となります。ところが、建築においては、造り手側(工務店、ゼネコンなど)が示し、積み上げる金額を「コスト」と呼び、決して「プライス」とはいいません。これは、重層下請け構造に起因するところが大きく、建築生産が有する市場性の不備に由来します。建築「コスト」の曖昧性は、価格決定が不明確となり、消費者に大きな不安や疑問を抱かせています。
最近、建築生産プロセスのすべての段階において、建築「コスト」を算定し、「コスト」面からマネジメント/コントロールする【コストマネジメント(コスト管理)】が行われるようになりました。特に、川上段階といわれる「企画・構想」「基本計画・基本設計」段階の「コスト」管理が、建築物の質を左右する重要なステップとなります。
ここで、《ジャパン・ビルディング・コスト・インフォメーション(JBCI)》が発刊するに至り、統計値(通常の「プライス」)に基づく説得力のある【コストプランニング(コスト計画)】に利用されているのです。
コストマネジメント