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高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「建築って何?(31)」窓《サッシ》の話:開閉方式

2012年8月21日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:建築の仕組み

コラムカテゴリ:住宅・建物

 建築物の窓《サッシ》は、懐かしき「木製」「スチール製」の時代から、今や「アルミ製」「ステンレス製」の時代へと変遷しています。日本家屋の窓《サッシ》といえば、「引違い」方式が主流ですが、窓《サッシ》の開閉には多種多様な方式があります。デザインの多様化から、いろいろな開閉方式の窓が使用されるようになっています。   
 高気密化の観点から見れば、気密材がサッシにこすれるようにして気密化する「引違い」方式や、「上げ下げ」方式は気密性能を保持するためには難しい開閉方式となります。これに対して「(外)(内)開き」方式は、気密材をつぶすように閉まることから、高い気密性能が期待できます。また、通風を考えた場合「引違い」方式は、防犯上開け放して就寝することに不安が残りますが、「内倒し」方式は開け放しのままでも防犯/雨水浸入に対する不安が小さくなり、通風も確保できることになります。「内倒し」方式と「内開き」方式を一つのレバーで開閉することが可能なタイプが、ドイツの窓と呼ばれる「ドレーキップ」方式です。ガラスの掃除に対する機能も窓《サッシ》の重要な役割ですが、2階以上の窓《サッシ》に関しては特に検討が重要となります。そうした観点からも、「ドレーキップ」方式は使いやすいものとなります。ただし、「カーテン/ブラインド」の取り付けには注意が必要です。大きな「テラス/縁側」に面する窓《サッシ》の場合には、気密性を考慮して「引違い」方式ではなく「片引き」方式や「パラレルシーベ」方式を用いることが多くなっています。
 ただ、「引違い」方式の気密性能も向上していることから、一概に「引違い」方式では気密性能が出ないということではありません。
 個人的には、「ドレーキップ」方式が好みです。



設計監理/調査鑑定/CM8コンストラクションマネジメント)
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