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コラム
「上棟式」:「建築って何(80)」
2013年4月10日 公開 / 2020年12月28日更新
「上棟式」(じょうとうしき;ridgepole-raising ceremony)は、建築物を新築する際に行われる神道の祭祀です。「棟上げ」(むねあげ)、「建前」(たてまえ)、「建舞」(たてまい)ともいいます。
完成後も、安全に使われるようにと願って行われるもので、通常、「柱」「棟」「梁」などの基本構造が完成し、「棟木」を上げるときに行われます。式の方法や次第には神社の祭祀のような規定はなく、地域による差異もあります。屋上に祭壇を設けそこで祭祀を行うものや、祭壇のみ屋上に設けて祭祀は地上で行うもの、祭壇も祭祀も地上のものもあります。神社本庁では「諸祭式要鋼」で「上棟式」の基準が示され、祭神は「屋船久久遅命」(やふねくくのちのみこと)、「屋船豊宇気姫命」(やふねとようけひめのみこと)、「手置帆負命」(たおきほおいのみこと)、「彦狭知命」(ひこさしりのみこと)、「当地の産土神」となります。他の祭祀と同様に「修祓」「降神」「献饌」「祝詞奏上」が行われ、続いて「上棟式」特有の儀礼として、「曳綱の儀」(棟木を曳き上げる)、「槌打の儀」(棟木を棟に打ちつける)、「散餅銭の儀」(餅や銭貨を撒く)が行われます。最後に、他の祭祀と同様に「拝礼」「撤饌」「昇神」「直会」(なおらい)と続きます。
また、鉄筋コンクリート造のビルの場合でも、主要な構造ができあがった時期に行われることがあります。
尚、日本以外にも韓国、台湾、香港、マカオにも「上棟式」の儀式やお払いがあり、イギリスやアメリカ合衆国でも、建築の際に、主要構造を完成させた時点で式典を行うことがあります。これを「トッピング・アウト」(Topping out)といいます。
もともとは、古代のスカンジナビアで木造建築を作る際、木の霊を鎮めるために行われた宗教儀式であり、ノルマン人の進出とともに各地に伝わったということです。ドイツ、スカンジナビア諸国、ポーランド、チェコ、イギリスなどヨーロッパ北部では盛んな行事であり、アメリカへは移民たちがこの風習を持ち込んだということです。
《讀賣新聞13.04.05》
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所
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