与えた者勝ち ―現場を動かす店長・バイヤー・社長に共通するたったひとつのこと―
先日、あるボランタリーチェーンの主催で、加盟店の従業員を対象としたセミナーを開催しました。
テーマは「生産性を高めるために、データを戦略的に活用する方法」。
副題には「パート社員が少しの努力で営業利益を大幅に改善した実例に学ぶ」
と掲げ、現場で実際に起きた改善事例を交えながら構成しました。
目的はただ一つ。「数字の力」を正しく理解し、それを業績改善につなげるための第一歩を踏み出してもらうことです。
目次
なぜ“基本”を学び直すのか?
このセミナーには部長クラスからチーフ、さらにはベテラン社員まで、幅広い層が参加しました。だからこそ内容は、わかりやすさを最優先にしながらも、“基本の再確認”をしっかり盛り込みました。
扱った内容は、いずれもシンプルなテーマです。
・「売上原価」の考え方
・「粗利益」の計算方法
・「売買差益」と「粗利益」の違い
・「値入」「ロス」「粗利益」のつながり
などです。
新人研修で扱うようなテーマにも思えますが、実際の現場ではこの基本が十分に理解されていないことがあまりにも多いのです。
なぜこのテーマを提案したのか?
私がこのテーマを取り上げたのは、日々クライアントの現場に立ち会い、「教育が行き届いていない現実」を目の当たりにしているからです。
やる気がある社員がいても、どれだけ高性能なシステムやデータ分析ツールがあっても、「使い方」が分からなければ意味がありません。
結果的に、経験と勘だけに頼った行動が続き、非効率なオペレーションが生まれてしまうのです。
セミナーで見えた“現場のリアル”
セミナーの最初に、売上原価について参加者に質問してみました。驚いたことに、誰一人として正確に答えられなかったのです。
つまり、「利益とは何か?」が現場レベルで理解されていない。これは経営における大きなリスクです。数字が見えなければ、改善も計画も、すべてが“勘頼み”になってしまいます。
少人数だったからこそ気づけたこと
今回のセミナーは、参加者が少なめでした。しかし、それが逆に重要な示唆を与えてくれました。
それは――「数字に関心がない企業が、まだまだ多い」という現実です。
教育の重要性に気づいていない企業が、まだ圧倒的に多いのです。
現場は“算数”でできている
スーパーマーケットの現場は、数字で動いています。販売実績、在庫、ロス、回転率、粗利益率――どれもが数字で語ることができ、それぞれが経営のバロメーターになります。
それらを「見える化」できる人材がいれば、判断力が高まり、生産性も劇的に改善されます。
教育こそ“最強の投資”
全国のスーパーマーケットには、経験豊富なパート社員がたくさん働いています。
その中には、前職で専門性を培った方や、数字に強い方も少なくありません。
しかし、そうした人材の力を十分に引き出せていない企業がほとんどです。教育されていないだけで、能力が眠ったままなのです。
裏を返せば――教育を施せば、一気に花開く可能性を秘めているということです。
数字を武器に変える企業が、これから勝つ!
数字を「知る」こと。
数字を「理解する」こと。
数字を「使いこなす」こと。
このサイクルを社内に根づかせるだけで、現場の空気は変わります。
実際に、たった1~2週間の教育で売場が劇的に改善した例も私は何度も見てきました。
今からでも遅くありません。社員一人ひとり、パート社員一人ひとりに、「数字の意味」と「活用方法」を伝える教育を始めてください。
それが、もっとも確実で、もっとも費用対効果の高い“未来への投資”です。
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