生産性を確実にアップさせる、ツールをつくる!【商人舎magazine4月号・原稿】
先日、Zoomを使ってオンラインでコンサルティングを行った時の話です。
彼女らは、意識が高く、出してくれた意見も的確で、お店にとって貢献度の高いものでした。
3人のパート社員の方々に参加してもらって、現状の問題や課題を聞くことと、その解決策をアドバイスしました。
意識のさほど高くない正社員も多い中で、彼女らは的確に問題をとらえていて、私に教えてくれました。
この問題意識を持つということは、正しくリーダーシップであり、主体的に考えて行動するということです。
彼女らに、時間消費の対価として作業をしてもらい、安い時給を払っていては、あまりにも勿体ないことです。
課題発見から、大きな成果が生まれる
今回のオンライン・ミーティングで、出てきた問題をいくつか紹介すると、
①現状の棚割りだと、品目が多く売りたいものが売場で主張できない
②バイヤーの送り込みが多く、出すのもやっとで戦略商品が展開できない
③売れているカットルーツの品ぞろえを強化したいが、担当のスキルが低い
等でした。
この三つの意見は、どれも貴重であり、改善効果が相当高いと言えます。
また、共通することは、現状今までのやり方では、仕組みを変えなければ、差別化要素(戦略)を強化できないということです。
①については、POSデータを確認し、値引き比率や値引きロス率の高いものは、発注数量など即時改善し、下位のものは原則カットする。
また、その分、お客からの支持の高いSKUや売りたい戦略的SKUのフェイシング拡大を行い、営業POPなど、そのプロモーションを強化を行う
②については、「売上至上主義」のやり方を改め、荷受けや移動を無くすなど、ムダな作業削減して、FLコストを削減すると同時に、戦略カテゴリーやアイテムの拡大を優先する
③については、値入率も高いことから、品揃え計画の見直しと不足するスキルアップ計画、ネットから、商品化などの情報収集とその活用を徹底する。
など、即時の改善行動と、結果検証を指示しました。
人財発掘とその可能性
私は、コンサルタントをして20年以上経ちますが、クライアントの現場の全てが分かるわけではありません。
今回のように、現場で働くパート社員に協力してもらい、問題点や課題を聞き取ることは、大きな発見を得る場合が多くあります。
会社のこと、店舗のこと、そして、お客や組織など、貴重な定性データを拾うことが出来ます。
当然、会社は、日々動き続けている現場と、お客との接点を多く持つパート社員とのコミュニケーションは重要です。
①些細な問題でも上司に報告できる仕組みを持っているか
②報告しやすいチーム環境になっているか
③そもそも、経営層が、そういう事にフォーカスして重要視しているか
そして何より、
④スピードを持って、課題を改善する仕組みになっているか
などが、会社のチーム力を確実に高めることになります。
「教える」そして「教わる」ことが、業務改善の原点
あなたの会社は、教えることを怠っていませんか?
また、
そのために、リーダーは、正しく教わっていますか?
今回のオンライン・ミーティングは、短時間でも多くのことを知ることが出来ました。
会社の仕組みなど、気付いていないことが、発見できたこと。
改善によって、さらに良い売場にかえること。
確実に、売上や粗利益、売場の効率が高められること。
当然、お客に悦んでもらうこと。
そして、そして、
働いてくれているパート社員の方々の意識が高いこと。
これは、大きな発見であり、会社の財産です。
原石は見えているのですから、時間とお金をかけて磨かなければいけません。
今までのやり方で、業績が芳しくない会社は、お客の意見でもある、パート社員の意見を謙虚に聞くことを遣ってみてはどうでしょうか。