相場安のときの、「安売りするバカ」は、止めよう
商売を成功させようとするときに重要になること、それは、『基本原則』を理解しているかということ。
目先の売上を追うことばかり考えて、そこから抜け出せない人も多い。
この場合、どうしてもこちら目線(都合)になってしまい、お客の目線を忘れてしまうことも多くなる。
ビジネスは、継続発展できなければ意味が無い。
そして、価格だけの価値しか提供できない商売は、遅かれ早かれ、かなりの確率で衰退する。
お客の支持を得て、日々確実にビジネスを成長するためには、小手先のテクニックではなく、4つの原則を理解して、これらを日々の活動の中で磨きを掛ければ、お客の高い支持を得て、適正な利益を生み出すことが出来る。
お客の感情に視点を置くということ
価格が安いことは、お客にとっては有難いことですが、それだけではお客は満足しないし、商売も成り立ちません。
ビジネスを確実に成長させるためには、「お客の感性」に視点を置いて考えることが重要であり、ビジネスの成功の確率を高める。
そして、なんと言っても、それが生産性の高い行動となります。
スーパーマーケットが危険なのは、セルフサービスであり、目の前を通るお客にまともな挨拶をしなくても売上げが立っていくことです。
専門店など、対面で行っている商売では考えられないことです。
しかし、ここに大きなポイントがあり、チャンスが隠れているのです。
「美味しい」こと。「楽しい」こと。「面白い」こと。
という様に、お客の感情に視点を置いて、コンセプトを持って日々の売場を作れば、お客の信頼と信用を築き、ビジネスの成功の確率を高めることが出来るのです。
売場づくりの、たった4つの視点
先述のお客の視点を持つということは、以下の4つのことを言います。
1.品質が良いこと(鮮度、味、安全など)
2.欠品が無いこと(品揃えが充実していること)
3.クリンリネスが行き届いていること
4.接客接遇(温かい気遣いがあること)
重要なことは、経営者が、これらのことを正しく理解して、現場が行動として実践し、競合に負けないレベルに維持されているかということです。
正しく理解されていなければ、こちら都合で、出来ない理由を並べることとなります。
それでは、お客の高い支持を得ることは難しいと言えます。
当然、そのための教育訓練を遣り続けることが必須となります。
当たり前のものが当たり前に買えること
目的買いで来店したお客が、その目当ての商品の売場の前に立つと売り切れ。
これは、一番頭に来ます。ガッカリです。お客の時間を奪ってしまうことにもなります。
欠品をさせないためには、フェイシング(陳列在庫数)、発注点などの仕組みが必要です。
また、メーカーや問屋の欠品(品枯れ)の時、店間移動や競合からの買付けなどの、現場の対応の仕組みづくりも重要です。
また、店舗規模やコンセプトにもよりますが、広義では、トレンドの商品などの取り扱いが無い場合も欠品と考えることも必要でしょう。
品質の良いものがあること
スーパーマーケットで、戦略的な観点で考えたとき、重要な部門は、生鮮部門です。
独自性を打ち出す上から、スーパーマーケットにとって、生鮮品(青果、鮮魚、精肉、惣菜)の鮮度は、戦略上大きなインパクトを持っています。
買付けから、保管、販売に至るまでの、各商品の管理と『目利き』が重要になります。
生鮮品は、日付だけで管理できるようなものではありません。
私の経験では、目利きの出来ない担当者も少なくないように思います。
店舗の競争優位性に大きくかかわる課題であり、数量管理(ユニット・コントロール)と品質管理(クオリティ・コントロール)を正しく理解し、日々実行するための教育訓練は、スーパーマーケット重要課題です。
また、日配品の日付管理、(競合店より早い)見切り販売など、『商品の管理基準』づくりも、お客の信用を得る上で重要となります。
付け加えて言うならば、数量管理と早期の見切り販売は、ロス率と作業人時を低下させ、粗利益だけではなく、営業利益にも大きくかかわります。
経営層の戦略的な理解が求められます。
要するに、地域一番、ダントツの鮮度(品質)を実現することです。
そのことが、お客からの絶対的な信用を獲得して、会社の生産性を高めることに繋がるのです。
綺麗な環境で買い物ができること
スーパーマーケットのお客(ターゲット)の多くは、女性です。
対して、販売側のリーダーのほとんどは男性です。
ここに大きな問題があります。
あくまでも私の経験からくる大雑把なとらえ方ですが、女性社員の多くは、身だしなみで注意をすることは少ないです。
逆に男性社員の場合、だらしなく感じることが多くあります。
ネクタイやシャツ、ズボンや長靴の汚れなど、気付いていない経営者やリーダーの資質を問いたくなることも有ります。
そこが出来ていないのに、衛生管理が整えられていることは無いでしょう。
先述した品質が良くても、販売している人の身だしなみが整えられていなければ、その時点でアウトです。
お客から「ここでは、絶対買わない」というレッテルを張られてしまいます。
コロナ禍とHACCP(ハサップ)のおかげで、スーパーマーケットの衛生管理意識は、高まったように見えます。
しかし、企業間格差はまだまだ大きいと言えます。
衛生管理意識が高まっている今が、仕組みづくりの絶好のタイミングがると思います。
難しく考えずに、動画を撮って、LINEなどのアプリを活用し、誰でも簡単に見て、理解できるようにすると良いと思います。
優しい店員がいること(接遇)
温かい接客。
気遣いの感じられる対応。
接客五大用語や八大用語が完全に出来ていなくても、全然かまわないと私は思います。
(出来たに越したことは有りませんが)
なぜなら、良くも悪くも「人は感情で動く」からです。
対応がぎこちなくても、一生懸命さや、温かさ、気遣いなどが感じられたら、多くのお客は悦んでくれます。
その様を見ている他のお客も、心地よいものです。
マニュアルで動いていることを感じたとたん、お客の心は離れてしまいます。
「良い対応をしてもらっている」と感じたお客は、お店のファンになってくれます。
少しくらい高くても、あなたのお店を優先して来店してくれると思います。
お客は、損得だけではなく、感情で動くのです。
お客を、顧客(贔屓客)に変えることが出来るのです。
改善行動が結果を確実にする
2020年のコロナ禍特需の売上を追う2021年、売上が前年対比を大きく下回っているスーパーマーケットも少なくない状態です。
だからと言って、ただの安売りで、目先の売上を追ってはいけません。
特に企業規模が小さく、資本力が無い場合は、基本的に絶対に遣ってはいけません。
リーダーは、この基本4原則を理解していただき、現場を観察して、「本当に、お客に悦んでもらっているか」を今一度考えてみていただきたいと思います。
私は、業務改善のコンサルタントをしていますが、
この基本4原則は、絶対に外せない大原則であり、企業の生産性を高めるための根本のことだと考えています。
少しずつ確実に、改善の努力を続けていけば、間違いなく大きな成果を手にすることが出来ると思います。
「お客は感性で物を買う」のですから