売上を上げるリーダーの『仕事の仕方』
データと情報は違います。
データを、目的に合わせて活用できるように加工したものが、情報です。
さらに、情報を図表など活用して見やすくするのが見える科です。
何れも、経営判断をしやすくすることが、その目的です。
データは、都合のいいように加工することもできますので、注意も必要ですが、正しく、目的をもって使えば、大きな成果につなげるための重要な役目を持つことになります。
商品ライフサイクルの活用
データは、点で見るのと線で見るのとでは、大きな違いがあります。
例えば、下の表ですが、野菜のアイテム別ライフサイクル表です。
細かい解説をするまでもなく、月別にどのような売上高の推移をしているかが、容易に理解することができます。
このライフサイクル図は、MD計画を立てるときなどに、重要な指標になります。
この帳票がつくられている部門であれば、経験の浅い担当者でも、販売計画を立てるときに、ベテラン社員に近い判断をすることが可能になるでしょう。
また、季節商材で、『導入期』『成長期』『成熟期』『衰退期』を知ることと、周年アイテムの流れなどを理解することによって、売り場展開計画においても、設定を誤ることなく、優先順位をつけて売り場配置を考えることが出来るようになります。
ランクシールによる実践的、生産性向上策
ランクシールは、POSデータのベストレポート(販売数量順)を活用して、売り場での『見える化』を実現します。
※活用方法の詳細は、月間商人舎2018年12月号をご覧ください。
ランクシールのメリットは、売場で、『見える化』することによって、
①誰でも、カテゴリー別、単品別の販売状況を把握できる
②発注時間を大幅に短縮できる(発注の有無の判断が短縮できる)
③フェイシングの拡縮を科学的にできる
④在庫を削減できる
などの多くのメリットがあります。
費用対効果がとても高いと言えます。
商戦の傾向を読み取る
特には、盆商戦や、年末年始商戦などの、日別・曜日別の動向をしる必要があるものに活用する方法です。
クライアントの現場では、期間合計でしか捉えていない事例も多く見ますが、日別・曜日別で見るのとは、大きな違いがあります。
特に、売り場展開や仕入計画に大きな役目を発揮してくれます。
また、過去の実績事例から、お客の来店同行なども、推測しやすくなるのも大きなメリットです。
部門のカルテ・部門支持率
部門支持率は、以前の記事にも解説していますので、詳しくは、そちらをご覧いただくとして、要点を解説します。
特に、品質や品ぞろえ、欠品(特に回転時や夕刻、夜間)状況、競合店状況などによって、支持率は変動することになります。
支持率が、2~3週(月)続けて低下した様なときは、即時現場の確認をして、問題発見と解決を急ぐ必要があります。
儲け(損益)の見える化
下の表は、部門別損益表を作成している、弊社が業務改善をお手伝いしているクライアント・チームの事例です。
特に、現在の厳しい競争の時代には、重要なデータになります。
営業利益を正しく把握していれば、経営判断も出来ます。
データや予算を売上高と粗利益高だけを見ていては、経営判断を見誤ることにもなります。実際重要なことは、『儲け』がどうなっているかということです。
事例のように、売上高は、前年対比で大きく下回っていますが、粗利益額が改善して、営業利益も確実に前年を大きく上回ってきています。
この表を見ていただければ、データの見える化の重要性がご理解いただけるでしょう。
『売上高前年比』と『粗利益高前年比』だけを見ていては、場合によっては、間違った判断をしてしまい、間違った改善策を取ることになってしまいます。
新入社員でも解るようにする!
数字は、『見方』や『見せ方』によって、全く違ったものに見えてしまう性質を持ちます。
経営者、経営幹部から現場の店長、チーフレベルまで、正しく理解して、活用することが、とても重要であるのです。
そして、今回紹介した事例以外にも、現場で必要な情報がいくつも存在します。
いづれにしても、新入社員でも、ある程度の理解がスピード感をもって出来るようにすることが、会社や現場の判断をするうえで、とても重要です。
実績数値を正しく判断して、改善に活用することが、現場の改善行動と成果に差を生むことになります。
その意味で、見やすい帳票を作ること、スピードを持って作成すること、そして、活用する社内の仕組みを構築することが求められます。
活用がすべて‼
情報を知っていても、活用しなければ何も変わりません。
良い結果を出せない人の多くは、
①やり方を知らない
②知っていてもやっていない
状態がほとんどです。
実績数値の確認と、現場確認を相互に、一定法則で実施する癖付けも、成果を拡大するためには、重要なポイントです。それが、数値を活用するということです。