生産性を確実にアップさせる、ツールをつくる!【商人舎magazine4月号・原稿】
日々、売場で行われているルーティン作業。
しかし、思っている以上に重要度が高いものも少なくありません。
作業改善によって、営業利益を大幅に拡大出来る作業があるのです。
その中の一つ、『見切り処理』作業について深く解説を入れてみます。
店舗によっては、とんでもない改善効果を生むことになり、知っておくべき重要な作業です。
生鮮品や日配品を扱うスーパーマーケットにとって、見切り作業は、日々の作業です。
見切り作業自体は、単品管理の現場での最終工程(廃棄以外)になり、粗利益に大きく関わります。
しかし、この作業のやり方は、企業によって様々です。
中小企業の中には、やり方が標準化できておらず、店舗や部門によって、そのやり方が違う場合もあります。
ところが、この見切り作業、やり方によって粗利益は勿論、オペレーション・コストにも、大きく関わり、且つ、『お客からの信用』にも関わる重要な作業なのです。
従業員全員の理解と共有、そして、正しい行動が必要です。
視点をどこに置くかが大きな差を生む
この見切り処理について、『消費期限』を起点に考えるのか、『入荷日(加工日)』を起点に考えるかで、やり方は全く変わります。
また、『販売側の目線』と『お客の目線』が考えられます。
販売側の目線では、消費期限ぎりぎりまで伸ばして、見切りたいと考えます。
お客の目線で言うと、少しでも新しいものを欲しいと考えます。
例えば、牛乳の売場で考えてみると、
『販売側の目線』の場合は、賞味期限が近付いたら、値引きを販売を行います。
基本的に私が進めている方は、『お客の目線』で入荷日が起点に考えて行います。
下段に陳列しているお客からの支持の高い商品は、一日古い方を10円引きなど低額の見切を行います。
その他棚の上の商品などは、日付が3タイプ(バッチ)になったら、一番古い日付のものを、値引きの対象となります。
このことによって、消費期限が起点の売場よりも、入荷日起点の売場の方が、圧倒的に鮮度感が良くなります。
入荷日起点の売場管理は、発注精度が向上し、ムダな仕入れも少なくなり、粗利益も安定して粗利益率も改善していきます。
信用と信頼
生鮮部門での見切り処理は、更に重要な意味を持ちます。
素人目にも判るような、鮮度劣化の商品を値引き販売していては、お店のブランド価値にも関わります。
プロフェショナルの目で、目利きをして、ほんの少しでも鮮度基準を満たさないものは、即時見切り処理を行います。
この日々の活動によって、お店の信用度が確実に高まることとなります。
そして、売り場全体の鮮度感は、確実に高まり、粗利益率も高位に保つことが出来るようになるのです。
生産性向上
牛乳などの日配品や各種生鮮品の見切りについては、上述したように、早期の見切り処理は、粗利益率を高位に保つことが出来るようになります。
結果的に、値引き幅(商品ロス)も少なくて済みますし、全体の値引き作業に関わる作業の工数が減ります。
また、基本的に売場で行うことにより、移動や野菜などの再処理などにムダな人時を投入することがなくなり、合わせて生産性が高くなることに繋がります。
それて、見切り処理作業のタイミングでも、効率は上がります。
日配品などは、朝に行うのを止めて、前日までに済ませます。
生鮮品も、前日ですが、午後2時から3時に行い、夕方のピークで完売させるようにします。
このことによって、開店前の作業が円滑に行えるようになり、更に生産性は向上することになります。
また、早期の見切りを行うことにより、低額の値引きで商品は売れていきます。
このことは、年間で相当な商品ロスを低下させ、粗利益を押し上げる効果があることを理解してもらいたいと思います。
単品管理・・・数量と品質
とは言え、見切り処理と同時に、発注数や陳列数などの修正を行わなければ、本質的な改善はなりません。
現場での見切り処理量の確認や、POS(販売実績)データの活用によって、問題点を洗い出し、単品ごとの数量コントロールを適宜行うことが重要となります。
また、合わせて、日付だけに頼らず、見た目で商品の品質を確認することは言うまでもありません。
その他、生鮮部門は、入荷日の表示管理を徹底して、「入荷日+2日」という様に、バックルーム在庫や陳列在庫を、その「基準内に販売してしまう」ことを行います。
そして、「地域でダントツの鮮度の高い店」を目指し実現するためには、徹底して行います。
そのことによって、地域でのお店の信用は強固となり、チラシなどに頼らなくても、日々一定以上のお客を集客することが出来るようになるのです。
顧客の視点の理解と実践
見切り処理は、『お客の目線』で行うことによって、多くの作業の工数と、ムダな行動がなくなります。
早期に見切るということは、お客に渡る商品全体の鮮度がアップすることです。
これらの日々の行動は、お客の『信用と信頼』を獲得することに繋がり、
やがて、あなたのお店のブランドを作り上げます。
「ブランド価値が売上をつくる」という仕組みが出来上がることになるのです。
これらの「お客目線でムダ無く動く」活動が、『真の業務改善』なのです。
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