POSデータを使って、簡単に生産性を上げる‼【商人舎magazine4月号】原稿
人手不足や粗利益の低下など、スーパーマーケットの現場では、深刻な問題と捉えています。
しかし、私が現場で見ている限り、一部の優良企業を除き、その多くは、決してそうではないような気がしています。
ハッキリ言って、その多くは、人手不足というより、『スキル不足』ではないでしょうか。
現場で作業風景を観ていても、「決して早くない」、「要領が悪い」ということを強く感じる場面が、多く有ります。
原因は何か、ズバリ、OJT(On-the-Job Training)不足です。
真因をたどれば、会社組織のOJTスキルの不足、その「計画性の無さ」、「考え方の無さ」といったところでしょうか。
ここを改善していかない限り、幾ら人を投入しても、現場の生産性は低いまま、というか更に低下してしまいます。
生産性を上げなければ、今後上がり続ける最低時給などで、経営自体立ちいかなくことも考えられます。
※OJT(On-the-Job Training):現場で上司や先輩が、担当者に必要な知識や技能を身につけさせる目的で指導する仕組み
ここのところを、現場目線で考えて行きます。
訓練をしていない
今回紹介する事例は、弊社の指導先の店舗ですが、不振店で赤字店舗です。
売場を回ってみると、グロサリー担当のパート社員が、お菓子の発注をしているところでした。
しかし、どう見ても要領が悪く、考え込んで、なかなかそのスピードが上がりません。
私は、担当のSVをよんで、このパート社員に、OJTを行ったかを確認しました。
すると、「全くしていない」ということでした。
パート社員は、新人です。こちらが観ていても、かわいそうになってきます。
SVは、そもそも主要業務のOJTを、真っ先に行う必要があります。
ましてや発注業務は、重要業務です。
見様見真似で出来るものではありません。
分からないままやっていると、パート社員もストレスがたまり、会社自体を止めてしまうかもしれません。
でも、このようなことは、多くの現場で、大小幾らでも起こっていることなのです。
ですから、現場の生産性がアップしないのです。
大きな能力の差
一方、パンや洋日配を担当しているパート社員がいます。
ここ2~3ヶ月で飛躍的に成長してくれています。
聞くとパンの売上は、前年対比146%という高い伸びを達成してくれています。
指導当初、欠品が多く、値引きも多かった売場でしたから、それが大方改善していますので、粗利益は、200%ぐらいにはなっていると思います。
そして、このパート社員は、私が現場を診ているときにも、良く質問をしてくれます。
そして、聞いたことを確実に、そして、正確に実施してくれます。
「よく頑張って、くれているね」
「売上はすごいし、粗利益は倍ぐらいになっていると思うよ」
と、彼女に伝えると、とても嬉しそうに、
「有り難うございます」と、笑顔で元気に答えてくれました。
このパート社員の貢献度は、とても高いと言えます。
この事例のような結果を出すために、OJTをしっかりやるのです。
不足するスキルを診てあげて、それを適時教育するのです。
そのことによって、確実にチームの生産性は高まります。
実績数値で褒める
褒めるときの大切なポイントがあります。
それは、出来るだけ実績数値を見せながら褒めることです。
そうすることによって、担当者本人の理解度が高まり、仕事に対してより関心を持つようになってくれます。
本人のやる気は、生産性を高める基にもなります。
従業員の成長が営業利益を拡大させる
この様に、従業員の成長が会社を支えていることを、リーダーは、良く理解する必要があります。
一人ひとりに向き合い、計画的にOJTを加えて行けば、従業員たちは確実に成長してくれます。
例外もたまに有ることも現実ですが、ほとんどの方は、そのスピードの差はあれ、確実に成長してくれます。
必要なことは、OJTの指導側のスキルをアップさせることです。
分からないのであれば、そこを勉強することが、リーダーの務めです。
リーダーの価値は、部下の成長で決まる
リーダーの価値は、部下の成長で決まると言っても過言ではないと思います。
育った部下たちは、会社の大切な資産となります。その総和は、リーダーの作った付加価値と言えます。
そして、それは、今後も会社の付加価値を上げて、生産性を高め続けてくれることになります。
店舗運営において、所詮リーダーひとりで出来ることはしれています。
チームの力、相乗効果は革新を生むことだって有ります。
先述のパンの担当社員の様に、リーダーの価値は、部下の成長で決まるのです。
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