徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
事前に買うものを決めてスーパーマーケットに来店する主婦の割合は、2割程度だそうです。
ということは、その日の晩ご飯のメニューを決めてから、お店に来る人の割合は、更に少なくなり、おそらく1割にも満たないかもしれません。
事前に商品を決めて買い物をしていない人が8割程度いるということ。
メニューを決めていない人が9割程度と仮定すれば、売る側のスーパーマーケットは、何をするべきなのか・・・。
マーケティング戦略を考える上で、俄然面白味を増してきます。
「何をすれば喜んでくれるのか・・・」
「どう売れば、より購買高(売上高)を伸ばすことが出来るのか・・・」
今回は、肩に力を入れなくても、意外に簡単に売上や粗利益を上げられる、とても簡単な、ある方法についてお話しします。
非・計画購買に有効な、「客単価を増やす」方法
何度となく、過去の記事で触れていることですが、売上を上げる方法は、「たった3つ」しかありません。
1.客数を増やす
2.客単価を増やす
3.来店頻度を増やす
この、たった3つです。
とてもシンプルです。スーパーマーケットに限らず、どのような業態のビジネスでも例外は有りません。
では、具体的には、現場でどうやってこの3つを上げれば良いのか・・・?
その技術がマーケティング力です。
しかし、現場では、「この3つを正しく理解して、実行している」 ということが少ないのが現実です。
1の客数を増やすということには、時間とお金がかかります。
しかし、2の客単価を増やすということに関しては、お金を掛けずに実行することが十分に可能です。今すぐに取り掛かれることが沢山あります。
今現在、来店していただいているお客に、
「あと一品買ってもらう」
そして、
「付加価値があり、少し価格が高い商品を買ってもらう」
ことによって、客単価を増やすには、どうしたら良いのか。
「何を買うかを決めていない」 非計画購買に対しての効果的行動を考えることがポイントです。
「売り込まない」で売上を上げる
「売る」ではなく、「売れる」 ということに焦点を当てて考えてください。
「売り込まなくても、売れてしまう」 売場を作ることを考えます。
ここで知っておきたい4つの原則が、
1.想起購買
2.関連購買
3.衝動購買
4.条件購買
です。
想起、関連、衝動、条件の後に『販売』ではなく、『購買』 と付いていますので、売る側の考え方ではなく、『買う側の心理や状態』 を考えるということです。
これが、「売れてします状態の売場」を作るためのマーケティングの基本です。
今来店してもらっているお客に、
どうすれば、「あと一品買ってもらえる」のか・・・?
どうすれば、「少し高い商品を買ってもらえる」のか・・・?
4つの原則を正しく理解して実行すれば、意外に簡単に客単価を上げることが出来ます。
そして、売り込むことをしないで、です。
買い忘れをさせない・・・想起購買
買い物から家に帰って、「あっ、買い忘れた・・・」と言う経験を持っている人も多いと思います。
お客の、買い忘れを無くすことによってあと一品の購買に繋げてもらうこと。それが想起購買です。
売場で、自宅のストックが無くなっていること。切れかかっていることを、売場でお客に思い出してもらうことが必要です。
その為には、主通路などの通過率の高い場所や、関連陳列を行うことが重要であり有効的です。
普段来店する顧客にとって、「かゆい所に手が届く」的な売場づくりが出来ている店は、お客にとっては便利で買い易い店になるでしょう。
上記の事例以外でも、テレビCMでよく流れている商品やトレンドの商品などもこれに当たるでしょう。
また、特に家庭でストック性が高くなっている、ご飯やおでんなどのレトルト食品やスープ類などのインスタント食品などもこれに当たります。
買い忘れをさせない・・・想起購買
例えば、チューブ入りの練りからしが有ります。
一般家庭の冷蔵庫には、かなりの確率で入っているでしょう。
おでんの時や豚カツソースに合わせる時など、無くてはならないものです。
ですから、からしの販売個数を増やすためには、練製品売場のおでん材料の前の突き出し陳列などは、非常に効果的です。特に大幅な値下げをしないでも売れますから、粗利益幅も大きくなります。
その他、その時季の主要提案メニューに対して、用途関連で考えると、関連するアイテムが簡単に解るはずです。
主婦であるパート社員の力を借りて、基本アイテムから応用アイテムの関連陳列(提案)は、関連販売で「あと一品」の購買に繋がり、全体として大きな成果を生むことに繋がります。
ついつい買ってしまう・・・衝動購買
目的の買い物が終わってレジに向かう時、レジの近くにあるデザート類。大福餅やみたらし団子、ケーキなど、小腹が空いている時には特に買いたくなります。
買う目的は無かったのに「買ってしまう」のです。それが衝動購買です。
その他、質の良いこだわり品など、お客が普段気付いていないちょっと贅沢な商品にスポットを当てて、お客が魅力的だと感じてもらうPOPや試食販売など、推奨販売を行うことによって、お客の「買いたい」のスイッチを押すことも単価を上げるための重要な作業です。
今日まで、限定100個、○○とセットで・・・条件購買
条件購買は、商品やサービスの販売に、ある一定の条件を付けることです。
・本日現品限り
・今年最後の・・・
・あと100個限り
・お弁当を買ったら、ドリンク○○円引き
・60歳以上の女性だけ
・今月お誕生日の方だけ
などと、商品の販売に条件を付けることによって、
「今買わなければ・・・」と、購買を促すのです。
基本を知って、応用を利かす
商品が、「売れてしまう」 という状態にするためには、『並べる場所』 や 『並べ方』 を変えると有効的です。
上記のように、商品の陳列の位置を変えることや、売り方を変えるだけで、簡単に売上をアップさせることが出来ます。結果的に客単価を上げることが出来るのです。
そして、想起購買、関連購買、衝動購買、条件購買の組み合わせを行うと、更に効果を発揮することになります。
ゴンドラのなかの定番、企画エンドや催事場、重点アイテムとの関連など、家庭内での料理作りや掃除、洗濯など、使う場面を想像して、用途関連のアイテムで売場を構成することで、「あと一品を買ってもらう」ように考えて、売場を作ることが重要です。
部門と部門のゾーニングやカテゴリーごとの関連陳列なども、この4つの原則を理解したうえで行うと、買う側にとっても便利で、買い易い売場を作ることが出来るようになります。
『お客の問題解決』がビジネスの使命
ビジネスの本質は、「お客の抱えている問題の解決」 です。
特に、「今夜の晩ご飯、何にしよう・・・」 は、
家庭の主婦や料理を考えている人にとって、毎日のように悩まされている、大きな問題です。
ここに、大きなビジネスのチャンスが有ります。
家庭の主婦は、
「○○ちゃん、晩ご飯、何が良い・・・」 (母)
「何でも良い・・・」 (子供)
という具合に、多くのお客が日々悩まされている問題なのです。
ここにアイデアを投げかけてくれるお店や情報は、とても重宝されるということになります。
行動しないと結果は出ない
今回紹介した方法は、マーケティングの基礎中の基礎で、ほんの一部です。
しかし、実践をすれば、確実に効果は表れます。
巷で「コトを売る」とよく言われますが、実践しているスーパーマーケットは、多いとは言えません。
特に、「何処まで遣っている」かが、結果を大きく分けます。「形だけ」は、何処でもやっているのです。
物をただ売場に並べて売っているだけでは、客単価のアップは難しいと言えます。
家庭の主婦の意見を大いに取り入れて、基本の売場を固めることと、
「こういうの、如何でしょう」と提案をすることで、確実に売上を伸ばすことは可能なのです。
■ 『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事
参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの営業戦略
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