独自の売り=USPで勝ち残る‼【商人舎Magazine(Web版)・8月号原稿】

新谷千里

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テーマ:スーパーの営業戦略

先月号に続き、マーケティングで重要なUSPについて、意味と考え方、そして、具体的な使い方について、実際の事例を含めて解説していきたいと思います。

USPは、Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)の略であり、『独自の売り(強み)』あるいは 、『独自の売りの提案』と訳されて使われています。

具体的には、
 ☛ 競合他社には無い、自社や自社の商品の独自の売りを定義して、提案すること。
そして、
 ☛ 競合他社が持っていない、優位性があるものと言うこと。
また、
 ☛ あなたの商品やサービスが、お客から、選ばれる理由とも言い換えられる。
ということです。

今回は、あなたの店や商品の強みを作り上げる。
また、USPを更に磨き上げることによって、来店客数や客単価(値入れ)を増やすことを目的として、具体的な実践事例を交えて解説したいと思います。


■ USPと実践

購買客数を増やすためには、自社の商品やサービスの『独自の売り(USP)』をしっかりと認識することが重要です。
そして、それをお客に積極的にアピールすることで、興味を持ったお客を獲得することに繋がります。
また、購買頻度を増やすためには、購入時のお客の満足度を上げることが重要であり、そのことによって再度購買してもらうことや、口コミ(紹介)が起こり、新規の顧客獲得に繋がります。

1.USPで、新規顧客を獲得する

USPは、数ある商品の中から、お客が、あなたのお店や商品(イベント)、サービスを選ぶ決め手になるものです。

解りやすくするために、5W1H(When、Where、Who、What、Why、How)で考えてみましょう。
 
 ①When(いつ)
   ex.「朝8時から開店している」
      「夜12時まで営業している」

 ②Where(どこで)
   ex.「○○駅から歩いて3分」
      「駐車場に入りやすく出やすい」

 ③Who(だれに)
   ex.「食事を作ることが好きな人」
     「仕事帰りで食事を作る時間を短縮したい主婦」
     「少しずつ美味しいものを食べたい老夫婦」
     「朝早く買い物を済ませたい人」
     「帰宅が遅いサラリーマン」

 ④What(なにを)
   ex.「飛び切り新鮮な、地元の野菜や魚」
      「味の良い手作り惣菜」
      「オーガニック食品、グルテン・フリー・・・」

 ⑤Why(なぜ)
   ex.「健康に気遣う人に買い物をしてほしい」
      「楽しく買い物をしてもらいたい」
      「美味しい果物を食べてもらいたい」

 ⑥How(どのように)
   ex.「毎朝、地元の新鮮野菜が豊富に並べられる」
      「バックルームがオープンで安心」
      「お買い物は、すべて自宅まで配達してもらえる」

などです。

お客にどのようなベネフィット(得)を体感してもらいたいのか?
あなたの商品(サービス)の売りは何なのか?
と言うことを具体的に解りやすく、パンフレットやチラシ、POP、そして、ホームページやSNSなどを使って積極的にアピールします。

あなたのお店や商品(サービス)の弱い部分の改善も大切なことです。
しかし、それ以上に大切なことは、自店の強みを磨き上げ、他店が真似できない強いUSPを築き上げることが、競争優位上最も重要なことなのです。
「選んでもらえるお店」「選んでもらう商品」をつくり上げることです。


2.USPで、来店頻度を増やす

購買時の満足度を高める努力をすることです。
購買客に、再び来店して買い物をしてもらうためには、顧客満足度を高める努力が必要です。
「また買いたい」と顧客に感じてもらうことが重要です。

満足度を高める要素としては、鮮度感、美味しさ、清潔感などは当然ですが、値ごろ感(コストパフォーマンス)、親切で丁寧な接客、店舗の雰囲気の良さなどが重要な要素として挙げられます。
この様に、あなたの商品とそれに関わるトータル的なサービスの良さで、
顧客に「また買いたい」と感じてもらい、高い来店頻度を実現できるのです。


3.USPで、価格を上げる

マズローやマクレランドなどの欲求理論の分析からも導き出されていることは、
 ⇒ 人には、それぞれ満たすべき根源的な欲求が有る
 ⇒ それを満たす商品やサービスには、その価値が有ると感じる
だから、
 ⇒ 相応の価格でも買う(販売できる)
のです。

ですから、お客が自分自身で、その商品やサービスに対して、価値を感じなければ独自の売り(こちらが考えているだけ)は意味をなさないことになります。

USPを確立する為には、
 ①明確なターゲット
 ②ユニークな特徴
 ③ユニークなベネフィット(お客の得)

以上の3つを明確にする(出来る)ことが重要なポイントで有ると前回解説しました。

ターゲットの心に響く、そして競合が持たないUSPを明確に表すことが出来れば、あなたの商品やサービスは、楽に売れてしまうようになるかもしれません。
そして、価格設定についても、独自性を持つことによって高位に保つことが出来ます。

USPを考えるとき、価格が先ではなく、価値が先なのです。
お客は、自分が感じる価値にお金を払うことを何度か説明しています。
価値が高ければ(重みが有れば)、ターゲットの支持を得て、価格も高く設定できることになります。

ですから、価格競争で苦しんでいるお店が、競合店と違う土俵で戦うために重要な要素なのです。
そして、NB商品などのコモディティ商品を低価格で販売し、USPのある商品で粗利益を確保するという値入ミックスが可能となります。
このことは、フロントエンドとバックエンド(※2017年6月号参照)にも通じる重要な営業戦略なのです。


■ USPのブラッシュアップ

独自の売りと言っても、競合も真似をして同じことをしないとも限りません。(中立化戦略)
また、その価値レベルが維持されているだけでは、時間の経過とともに陳腐化して、お客からしてみれば、当たり前で特別ではなくなります。

重要なことは、今売っている商品やサービスに付加価値を追加したりして、差別化戦略に、日々磨きを掛け続けることが重要です。

中立化と差別化
そうすることによって、競争優位性と価格は維持され続けることになります。

競合他社が、真似の出来ない、また、その気をそぎ取る日々の行動が重要であるのです。


■ USPを支える仕組みをつくる

競合他社が追随できない、自社の価値提案を徹底して高めることが、競争優位性を更に強くすることになります。

例えば、パートタイマーの従業員も参加してもらい、『USP改善委員会』を立ち上げます。
自社のUSPの更なる進化のために、定期的に協議を重ねて、適時修正を行うことや、その意識で商圏調査を行い、常に優位性のレベル(位置)の確認を行うことも重要なことです。

「うちには真似できない・・・」と、競合他社に言わせる(感じさせる)ことが重要なポイントです。
そして、オペレーションに磨きを掛けて、常に出来る仕組みにするのです。

以下、私のクライアントの実行事例を紹介します。
USP・SM鮮魚

USP・SL青果

USP・SMトマト

・・・・・・つづきは・・・・・・

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■ 『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事
  参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの営業戦略 


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