売上と粗利益を簡単に上げるサイレントセールスマンを創る POPの力と基本原則を知る
節分がやってきます。
関西の『巻き寿司の丸かぶり』は、コンビニのおかげで、もう全国区になりました。
そして、豆まき用の大豆は、落花生や豆菓子のパック詰めに形を変えてき来ています。スイーツの丸かぶりなどの商品も、売場を楽しくしてくれています。
↑ 菓子、食品の関連陳列 (レジ前の第一マグネット)
縁起物の『巻き寿司の丸かぶり』。数年前までは、射に構えていた関西以外のスーパーも、今は、本腰をいれて販売しています。
この様な節分ですが、年々企画が進化(変化)して来ています。
しかし、売場を見ていると、非常に残念なことが目に付きます。
今回は、この節分を事例として、マーケティングを解説します。
売上を簡単に上げる、たった3つの方法
何回か、私の他の記事でも紹介している原理原則です。
改めて解説します。
それは、
1.客数を増やす
2.客単価を増やす
3.購買頻度を増やす
です。
ここで重要なのは、算数ではなく、行動原理として理解しているかということです。
↑ 惣菜売場の巻き寿司の展開
↑ 鮮魚売場の巻き寿司の展開
賢く、客数をうやすテクニック
客数は、購買客数のことです。「買ってくれる客数」を増やすための活動のことです。
その為には、まずは、節分の当日、あなたのお店に来店してくれる客数を増やす努力を、万全にしているかということが重要なポイントとなります。
2月3日を売り出しの初日として、新聞折込みチラシを投入することは絶対必要です。私は、15年以上前から、このことをクライアントに実行してもらっています。チラシの2日目以降が節分では意味がありません。
『客数を増やす』ことの絶対条件です。
また、巻き寿司を中心とする企画の紙面上の充実度は、言うまでもありません。これについて、企画力のないスーパーは、先進企業のものを確認することをお薦めします。
そして、チラシを見たお客が、実際に来店してもらうための仕掛けが重要です。これがフロントエンドです。
チラシを見た人が、「あッ、この店行かなきゃ!」と思ってもらうことです。一番単純な方法としては、お客の支持の高い玉子など、低価格で販売することです。
まず、これらのことは、絶対に外してはいけない行動です。
また、巻き寿司の予約販売も同様に重要なことです。事前に、当日来店するお客を、自店に呼び込むのです。
テクニックとしては、予約をしてもらうための、『オファー』を強化することです。
オファーとは、お客が、「予約しよう」と思ってもらうための特典のことです。
『数量限定』や『ポイント付加』、『予約値引き』、『関連購買品の値引き』、『予約者限定のプレゼント』などが考えられます。
↑ 鮮魚売場のいわしの展開
仕掛けとしては、まだ多くありますが、以上のことが出来ていれば、来店客数を伸ばすことにつて、大きな成果になると思います。
賢く、客単価を増やすテクニック
客数が増えて、客単価が更に増えなければ、大きな売上に繋がります。
客単価を増やすための方法は多くありますが、その中で、幾つかの具体的方法をお伝えします。
まずは、節分対象商品自体の持つ、『縁起物』という意味を利用しましょう。
「○○神社で祈願、ご利益をいただいた・・・」
「有明産の厳選海苔を使った・・・」
「有機栽培や天然の商材を贅沢な使った・・・」
などという様に、対象アイテムの付加価値を付けることによって、その売価を上げる方法があります。
その為には、コトPOPや推奨販売などで、それを、お客に十分に伝える努力をすることが重要です。
また、関連購買や想起購買を促し、お客の購買点数を増やすための売場作りです。
・巻き寿司や巻き寿司材料 + インスタントのお吸い物(味噌汁) の関連販売
・巻き寿司 + ペット飲料・値引きサービス
・野菜売場の巻き寿司(手巻き寿司)の関連陳列の徹底
・加工食品の 〃 + 雑貨(巻き簀や寿司桶など) の関連販売
・食品、菓子の節分関連、集合関連陳列
などを徹底して行います。
そして、もう一つ、
予約でしか買えない、特別な巻き寿司を用意することも効果的でしょう。
基本的には、ネタにこだわった高単価の商品の予約です。
ここで重要なことは、
単価を上げることは勿論ですが、
製造現場での段取りをスムーズに進めるために、限定品目、限定数量にすることです。
また、地域の有名店などと組んで、付加価値の高い商品を提供することを考えても良いでしょう。
結果として、より付加価値の高い商品を欲しい、お客のニーズを取り込む効果が期待できます。
競合店との差別化もできます。
賢く、来店頻度を増やすテクニック
顧客の来店頻度は、商品の品揃え鮮度(品質)、クリンリネス、接遇、欠品の無さという現状レベル。
そして、その、お客の目線での日々の改善活動の結果が根本になります。
また、マーケティングの検知としては、フロントエンドによって来店してくれたお客が、「また、来たい」と思ってもらえるかにかかっているのです。安売りだけの店や、上記の基本ができていない店では、この可能性は低くなってしまう、と理解していなければいけません。
来店頻度を上げるためには、前述のしたような企画をしっかりと行い、
お客が、「美味しかった・・・」、「楽しかった・・・」、「面白かった・・・」ということを実感した頻度に比例すると考えるべきです。
これらのことのマーケティング的理解と、行動が日々の来店頻度を増やすのです。
巻き寿司製造のオペレーションの憂鬱?
とは言っても、気になることが、巻き寿司の製造でしょう。製造の仕組みが出来上がった、先進企業は別として、多くの中小零細のスーパーマーケット企業に於いては、心配の種でしょう。
如何に店長がリーダーシップを持って、ことに当たるかが重要なことは言うまでもありません。
具体的には、まず、部門横断的な応援体制が効果を生みます。担当責任者の負担を和らげ、チーム(店舗)力をアップするという意味からも重要なことです。
巻き寿司を直接巻くことの出来る人の応援は力強いことですが、その他にも、方法はあります。
例えば、作業分担です。
巻き寿司を巻くには、①寿司桶からシャリを握り取る ⇒②シャリの重量を一定にする ⇒③海苔の上にシャリを広げる ⇒④ネタをシャリの上に順番に配置する ⇒⑤巻き上げる ⇒⑥陳列用バット(皿)に置く という様な手順を踏みます。
このうち、①と②については、新米のアルバイト社員でもやることが出来ます。
応援者が、規定重量のシャリ団子をつくり、バットの上に並べるということが出来れば、寿司を巻く人の作業工程が減り、製造スピードは大幅にアップします。
単純なことなのですが、製造者の負担を軽減し、全体としても、時間あたりの製造量を飛躍的に伸ばすことが可能です。
小さな業務改善ですが、実際にやってみると思った以上の効果を実感できます。
幾ら予約を多くとって、当日の来店客数を増やすマーケティングの努力をしても、製造が追いつかなければ、売上には繋がりません。
良い商品 × 効果的マーケティング × 高いオペレーション
が、大きな売上と利益になるのです。
鬼が笑う「来年」の計画
以上のことを、確実に計画的にチーム力を持って実行すれば、確実に実績を押し上げ、企画は成功出来ると思います。
そして、重要なことが、もう一つあります。
それは、来年の計画です。
終わったらすぐに、反省と対策。そして、次回の仮説設定です。
失敗したことについても、上手くいったことについても、
「次は、どうする!」
「更に、進化するためには・・・」
「もっと、お客さんに楽しんでもらうためには・・・」
の仮説設定を行って、次年度の販売展開計画を作ってしまいます。
そして、もう一つ、
「もっと、楽するためには・・・」
という、オペレーションの進化も忘れずに行うことが重要です。
『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事
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