徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
小手先のノウハウだけでは、長いビジネスは出来ない。
前回のスーパーマーケットのテナントである、鶏肉(かしわ)屋さんの記事について、少しだけ理論的解説を加えておきたいと思います。
私がこれまで見てきた限り現場では、
「なぜなのか?」という、物事の根本が理解されないまま、ノウハウだけが独り歩きしている。という事を見る機会が多いからです。
数々のノウハウ(技術、手法、経験など)は、重要なことであり、それを決して否定するものではありません。
しかし、外してはいけないことが有ります。
それは、ノウホワイ。「なぜそれをするのか・・・」という考えや思いの部分です。
事例を交えて解説します。
USP(独自の売り)の打ち出し ⇒ 価格以外の土俵で戦う
鶏肉店の場合、店主の商品に対する思いは十分に感じ取れます。
しかし、それが、売り場でお客に伝わっていない。のです。
ここで重要なポイントは、USP(Unique Selling Proposition、独自の売り)を作り上げることです。
USPとは、
①誰に食べて(買って)もらいたいのか、という『明確なターゲット』を設定する
②この商品を買ってもらったら、「こんな良いことが有りますよ・・・」という、『ユニークな得(ベネフィット)』
③②のことを証明する『ユニークな特徴』
を明確化することです。
改めて、販売している(する)商品をブラッシュアップ(磨き上げる)するのです。
そして、商品自体ではなく、商品を使う事によって得られるターゲット(顧客)のベネフィット(得)に焦点を当てて考えます。
そして、それを裏付ける証拠(特徴)を大小全て洗い出します。
どの様な商品でも、万人に好まれるものは有りません。逆に、万人に嫌われるものも有りません。
要は、あなたの商品を、買っていただきたい(分かっていただきたい)潜在顧客を設定して、そのお客に伝える効果的な行動をするということなのです。
差別化で利益を産むUSP・・・『唯一』を磨く
お気付きだと思いますが、基本的にUSPは、価格を下げることの対極にあるものです。
もっと言えば、価格を上げることだと言っても良いでしょう。
正確には、お客に納得してもらって、価格を上げるということが正しい表現であると思います。
ですから、売る商品やサービスが(地域で、業界で、売り方で・・・)『唯一』であることが望まれます。
他に無い、その『唯一』(他との違い)がお客に『魅力的』で合った時に、お客の買いに繋がり、売り手は高い粗利益を手にすることになるのです。
小手先のノウハウは、一瞬の成功しか呼ばない
最近よく聞くコトPOPですが、「なぜそれをするのか・・・」という部分が理解されないまま、売り場に掲示されたものが多くあります。
これでは、POPは、なかなかその(営業マンとしての)目的を果たしてくれません。
POPの本来の目的は、顧客に商品を買ってもらうことです。
そのために、その商品の情報をお客様に正しく伝えるのです。
使い方や食べ方、産地や生産者、糖度や味など、売る方は当たり前だと思っていることでも、お客が分かっていないことが多くあります。
そして、生産者のこだわりや、産地の環境や生産者の苦労話などというストーリーは、お客の心を動かします。
売る側も、
「この良い商品をお客様にぜひ紹介してあげたい・・・・」
「この商品は、必ずお客さんが悦んでくれる」そういう思いで商品を仕入れして、販売するのです。
『顧客を幸せにする』という思いで行動するのです。
POPはその為の手段です。
決して、目的ではありません。
商品ではなくお客の心に焦点を当てる
近年、LINEやFacebookなどのソーシャル・ネットワーク便利なシステムが開発され、急激なスピードで、情報取得や共有が可能となってきました。
しかし、これらも、あくまでもツールで有り、コミュニケーションをとるための媒体であり、単なる道具にすぎません。
ビジネスの問題を根本的に解決してくれるものでは有りません。
これらも、POPと同じく、目的を達成するための道具であるのです。
ビジネスの目的を達成するためには、商品ではなくお客の心に焦点を当てることが重要です。
理念とコンセプトは飾りではない
以上の様に、商売をする上では、売上を上げるための多くのノウハウが存在します。
成功しているアイデアを真似て取り入れて遣ってみることは良いことだと思います。
行動に移し実際遣ってみたことは、失敗も含めて確実に知恵に変換されて蓄積されていきます。
ただ忘れてはいけないことは、「何のためか・・・?」を理解して行動することを忘れてはいけません。
コンセプトをしっかり持って行動し、目標を達成してください。
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