徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
私のクライアントのスーパーマーケットで、テナントの鶏肉専門店を営んでいる店主(オーナー)がいます。
彼曰く、
「私は、普通のブロイラーは売りません」
「この○○鶏にこだわっています」
と店主は言います。
「どうしてですか?」と私が聞くと、
「この鶏は、無薬飼料で育てているんですわ」
そして、
「食べてもらうと分かるんですけど、臭みが殆ど有りません」
「水炊きで食べてもらうと・・・ほんまに美味いんですわ」
「焼くときは、皮目を下にして・・・・」
などなど、ウンチクが次々に語られます。
↑このPOPでは伝わらない
私が違った方向から質問を投げかけてみました。
「この鶏は、どんな所で飼われてるんですか?」
すると彼は答えます。
「○○地方の山間部の空気の綺麗なところです」
「鶏舎は、鳥インフルエンザも心配が少ない無窓鶏舎です」
「鶏舎は、衛生管理が徹底されていて、通常部外者は中には入れません」
などと、説明は続きます。
USP(独自の売り)をお客に伝えていない
「今、私に説明してくれたことをお客様に伝えていますか?」と、私が店主に尋ねると、
彼は、顔を少し歪めて、「・・・・・・・・・・・・・・・・・伝えてませんね」
そうなんです。非常に勿体無いことです。
お客も、店主が話してくれた様なことの一部でも解って、この鶏をいただくのと、「100g○○円、少し高な」と思いながら食べるのとでは大違いです。
美味しことは勿論大切なことですが、意味が分かって食べると、納得感や満足感が断然違ってきます。
しかし、この様なことは、他のほとんどのスーパーマーケットでも同じことが言えます。
正確に言うと、遣っている場合でも、うまく伝わっていないお店が殆どです。
この鶏肉(かしわ)屋さんは、その典型です。
『独自の売り』が大いに有るのに伝わっていなければ、そこらに氾濫している他の商品と価格だけの勝負になってしまいます。
また、例え安売りはしなくても、販売量は思うように伸びてくれないでしょう。
安売りをしないで売上を伸ばす!
元気なお店とジリ貧なお店を分けるキーワードの1つになりうるのが、この「安売り(価格)」です。
価格競争を仕掛けられ、我慢できなくなって価格で競争するというものです。
確かに簡単な行動であるのです。
しかし、単なる安売りは、中小零細の資本力のない会社の場合、多かれ少なかれ、時間の経過とともに利益が落ちて経営が立ちいかなくなります。
ここで重要なことは、価格ではなく『価値』を売るという考え方です。
紹介している鶏肉(かしわ)屋さんの場合、商品が美味しいことは最も重要なことなのですが、それ以外にも多くの価値、特徴、そして、その裏付けをしっかり持っています。
ただ、「お客は知らない・・・」のです。
やるべきことは、ハッキリしています。
“伝える”ことを最優先にすることです。
ハッキリ言って、この事例の場合、「お客に納得してもらって値上げする」ことも十分可能です。
一番の大事な仕事は、売り込むこと!
ここで、気になることが、
「どうやって・・・?」ということでしょう。
何度も言いますが、『伝える』努力を徹底して遣ることです。
味が良くて、安心安全なのですから、簡単です。
⇒ お客にベネフィットや特徴が解りやすいPOPを書いて、売場の見やすい位置に掲示する
⇒ 試食販売を徹底して行う
⇒ 商品を一番美味しく(味を引き立たせる)食べれるレシピーを紹介する
などの方法が有ります。
ここで私が言っている「売り込む」というのは、お客の持っているカゴに商品を入れるという行動の意味ではなく、
あなたの売っている商品の『価値』を売り込めと言っているのです。
上記の他にも方法は有りますが、これくらいで十分結果は出るでしょう。
新しい商売の仕方
以上のことから、あなたが今、仕入れて売っている商品自体を変えなければならない場合もあるかもしれません。
また、提供(提案)する方法を変える必要がある場合もあるかもしれません。
何れにしても、お客が納得して悦んでもらえなければ、商品を買ってはくれません。
あなたが取り扱っている商品の価値を今一度、深く観察してみてください。
あなたのお客様に、伝えきれていないことは無いでしょうか?
お客様に100%価値を提供しているでしょうか?
価格から焦点を外してみると、とても創造的なアイデアも浮かんでくると思います。
新しい商売の仕方が見出せると思います。
これが真のマーケティングであると考えます。
お客に寄り添う。
お客の喜びを追求する。
行動の仕方を変えましょう。時間の使い方を変えましょう。
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