徹底した“高鮮度”を売ることで地域一番店になる!
私が最初に、15年ほど勤めていた会社は、現在、近畿圈で売上高3000億円を超える。
グロサリーを中心に価格も安いし、生鮮品の品質や鮮度、品揃えでも評判が良い。
そして、何より、従業員の方々の接客のレベルも高い。
私も時々、家内の買い物に付き合うが、パート社員の方々の対応も気遣いを感じて良いと思う。
当然であるが、これらのことを支えるための多くの仕組みが有る。
物流、発注、POSなどのシステム。店舗レイアウト、在庫管理、作業改善などのローコスト・オペレーション。リーダーシップ、従業員教育、作業訓練、人事考課など従業員スキルアップ計画。品揃え、商品開発、売場づくりなどの販売(商品化、販促)計画など。
<カートの効果的活用/両手作業>
そして、応援してくれる関係会社との協力関係の構築による相乗効果。
また、品質鮮度、欠品対策、接客応対、クリンリネスなど、基本原則の日々のレベルアップ活動。
こういう本質的なことを話してしまうと、「そんなとことは戦えない」と諦めてしまう企業は多い。
また、最近特にドラッグストアの進出も全国的に多く、関係する商圏の既存のスーパーマーケットにとっては脅威であり、心配な問題だろう。
しかし、これは、「同じ土俵で戦う」ことを考えているからである。
「同じ土俵で戦う」という意味は、身体の大きい力士と、まともに土俵上で相撲を取るということ。
つまり、資本力のある大企業とまともに競争するということである。
特に問題なのは、価格だけを考えていること。
今日、明日の売上だけを考えていること。
結局、売る側(自分、自店、自社)からの目線で考え活動し、顧客の目線(ニーズ)考えず、そのギャップが、時間の経過とともに広がっている状態になってしまっていることです。
「ディスカウンターが怖い」のは、同質競合を考えているから
価格だけで動く消費者がいる反面、そういう店には行かないという消費者も多くいる。
その理由は、価格は安いけど、「楽しくない」「面白くない」「買いたいものがない」といったことや、「鮮度が悪い」「品質が悪い」「安心できない」「社員教育がなっていない」など、色々あるだろう。
「価格が安ければ売れる」と単純に考えることは、非常に危険である。
殆どの場合、荒利益を下げ、営業利益を下げる。
販促費の増加、特売の段取りのための作業人時アップ、過剰在庫などの結果を生み、ハイ・コストにも陥りやすくなる。
安売りがいけないという事ではない。
安く売る仕組みができていないのに、短絡的に安売りに走ることは危険であると言っているのである。
安売りをするには、仕入れ、物流、店内作業、店舗設計、店舗レイアウト、棚割などなど、ローコスト・オペレーションが実現できていなければいけない。
このような土台のない単なる安売りは、低利益、低報酬による、労働劣化(従業員のやる気の低下)をも招き、益々状況を悪化させてしまう。
美味しいラーメン屋は流行る
他業種を考えれば解りやすい。
例えば、ラーメン屋さん。
「あそこのラーメン屋さん、美味しいよね!」と誰もが口を揃えるような店へは、多くの人が足を運ぶだろう。
厨房を覗くとステンレス製の壁やテーブル、ダクトなどがピカピカに良く手入れされている。
店内のテーブルや椅子、床も清潔感を感じる。
フロアの店員さんは、笑顔で「ありがとうございます」と愛想が良い。対応も優しい。
この様な店が流行らない訳がない。少しぐらい、店舗の立地が悪くても、クチコミで、人が人を呼んでくれるだろう。(マーケティングの努力を怠ってはいけないが)
お客は、商品やサービスの質に納得し、「安くなくても店舗は流行る」のである。
顧客(ターゲット)を理解(設定)する
値段で買うお客は、値段で他へ流れる。
単純なことであるのに、このことの意味を正しく理解していない企業やその経営者は意外に多い。
所得額の層が二極化しているという話は、何年も前からよく耳にするようなっている。
しかし、アメリカなどと比べるとその幅は小さいように思う。
そして、日本の多くの消費者(おばちゃん)は、長年培われた「物を見る目」とその経験から、単純に絶対価格で物を買ったりはしない。(商品によるが)
よく吟味して、「どちらが本当に自分にとって得か」をちゃんと考えて見分けられる。
価格だけで勝負するということは、それを支持するお客にターゲットを設定しているということである。
そして、この層お客は、あまり会社に利益をもたらせてくれない。ということも理解していなければならない。
世の中には、「美味しいもの」「体にいいもの」「愉快にしてくれるもの」「簡単で便利なもの」など、自分を「プチ幸せ」にしてくれる、体験をさせてくれる店舗(売場)を探している顧客が山のようにいる。
お客は、お金の使い方については、かける物とかけない物とに選別消費をする。
中小零細企業は、そこに焦点(フォーカス)を当てると大きなチャンスがある。
大きな会社は、中々変化できないが、小さな会社は、今日からでも簡単に方向転換できる。
差別化とは、ニッチな分野で特徴を出すこと
他店との違いを打ち出すこと。
その数を日々の努力で増やすこと。
が重要です。
それが、高い利益率を生むことに繋がります。
☑ 春先に「地場の菜の花入り・ポテトサラダ」を作っているだろうか?
☑ スイカは、地域で「どこにも負けない一番美味しいもの」を売っているだろうか?
☑ 地域の「朝採り野菜」を販売しているだろうか?
☑ 価格は高いけど、「本当に良い物」「お客様に教えてあげなければ」という商品をご案内しているだろうか?
☑ 刺身や寿司は、鮮度、味、盛付けセンスの上から「地域一番」だろうか?
☑ バジルとトマトとモッツァレラ・チーズなど新たな食べ方を提案しているだろうか?
☑ 雑誌MARTで紹介されている、「今話題」の商品を売場で紹介しているだろうか?
☑ ココナッツ・オイルを、コトPOPを付けて、大量に販売しただろうか?
<ココナッツ・オイル/短期間で、100本以上売り上げた>
☑ 売場では、お客様に「笑顔で親切な対応」が出来ているだろうか?
☑ レジの対応は、「地域一番優しい」だろうか?
☑ ・・・・・?
☑ ・・・・・?
今からでも、磨きを掛けられることは、沢山あると思います。
新たに取り組めることは、沢山あります。
売り上げを上げる方法、荒利益を上げる方法は山のようにあるのです。
フォーカスを変えましょう。それが、業務改善の起点です。
1ヶ月後、3か月後、半年後、1年後と、「目的と目標」を設定し、そして、「なぜ、それをやるのか?」を常に念頭に置いて行動しましょう。
確実に結果は変わります。
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