「11月は贈与の季節!?」実感しました
不動産登記規則の改正
本日、不動産登記規則が改正されました。
いままでは、不動産売買をするとき、売主は印鑑証明書(3ヶ月以内)が必ず必要でした。
法改正によって「会社」が売主の場合は、印鑑証明書を不要とされました。
ポイントは登記の申請人が「会社」の場合のみです。個人の場合は、相変わらず印鑑証明書が必要ですので変わりません。
改正の背景は??
会社実印を証明するものが印鑑証明書ですが、この会社実印の登録を行っているのは「法務局」であり、印鑑証明書の発行を行っているのも「法務局」、不動産売買等の登記申請先も「法務局」です。
すなわち「法務局」は全国で印鑑証明書の陰影を確認できて把握できるのだから、印鑑証明書をワザワザ出す必要はないということです。
便利になるのかは疑問・・・
印鑑証明書を用意しなくても良いか?と聞かれると残念ながらNOです。
不動産決済の場面では、司法書士や銀行、取引関係者にとっても、会社実印が本当に会社実印かは印鑑証明書がないとわかりませんので、融資や決済代金のGOサインを出せません。そのため、やはり印鑑証明書は用意してくださいということになります。
ただし、司法書士としても信用できる継続的な取引先などであれば、印鑑証明書のコピーでも良いなど対応が変わる可能性はあります。
一番の懸念は安全性
私が一番懸念するのは、真実でない登記が横行しないかということです。
手続きを簡略化するということと、安全性は表裏一体です。
会社の印鑑証明書がなくても、不動産の名義変更ができる時代がやってきたということです。
いままでは、会社実印を紛失されても、印鑑証明書の入手はそう簡単にできませんから、直ちに心配はありませんと、会社社長様にご説明していましたが、今後はそうはいかなくなりました。
会社実印を盗まれると、それだけで不動産の名義変更をされるリスクが高くなるわけですから、くれぐれも管理にはご注意下さいと周知していかなければと思います。
地面師の関わる事件が増えないことを祈ります。
【司法書士 山 添 健 志】
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