見守り契約で「エンディングノート」 ☆遺言・相続vol.9⑩☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
任意後見契約は、公証役場において公正証書で作成する必要があります。
手軽な手続きで利用できる方が良いのではないかというご意見もありますが、
私は、慎重な手続が、長い期間、後見人として働くためには必要だと考えています。
それが、本人と後見人双方を守ってくれるものだと理解しているからです。
これから、自分の将来を託そうとしているとき、
本人と任意後見受任者という当事者は、対等ではないと思います。
平成12年3月13日法務省民一634法務局長・地方法務局長宛民事局長通達によれば、
公証人は、任意後見契約を締結しようとする本人との面接を原則としています。
公証人は、契約書作成について、委任状を提出してすることを認めているので、
契約書作成のための出張はできませんが、
任意後見契約については、例外として、出張もできるようになっています。
それは、本人の事理を弁識する「能力」及び任意後見契約を締結する「意思」を確認することに、
重きを置いているからです。
能力に疑義があるときは、公証人は、医師の診断書等の提出を求めることもできます。
契約の有効性が訴訟や審判で争われた場合の証拠保全の為に、公正証書の原本と共に保存し、
又は、本人の状況等の要領を録取した書面を証書の原本と共に保存することになっています。
任意後見人が働き始める頃には、真意を知りたくても、
ご本人に確認できない状況になっていることが通常でしょう。
そんな時に、締結の能力や意思が、第三者である公証人によって確認され、
記録されているということは、大変心丈夫なことだと思います。
任意後見制度の利用数が伸びない理由に、契約要件の厳しさを指摘するものがあります。
確かに、多くの方に利用してもらいたいと思いますが、
それでも、契約書は公正証書で作成する方法を続けて欲しいと思っています。
法定後見制度の運用状況をお話しして、
任意後見制度のメリット・デメリットと、その方のニーズとを照らし合わせて、納得して選択していただけるよう、ご案内していきたいと思っています。
私たちは、笑顔の和を広げます。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp
☎06-6365-1755