後見制度支援信託に関連して ~信託と預金の違い~ ☆成年後見vol.9⑰☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
任意後見契約と共に財産管理等委任契約を締結して、判断能力があっても、
入院などで銀行や役所の窓口に行けないときに備えて、
生活費等引き出す代理権を付与する内容の契約です。
ところが、これがなかなか使えません。
せっかく公正証書で作成していても、「それ何ですか?」といった反応。
ご本人がゆうちょ銀行まで行くのは大変なので、代わって、生活費を出金する必要がありました。
そんな時のためにと、金庫から取出した「財産管理等委任契約」。
ゆうちょ銀行の口座番号も明記して、その出金ができるといった内容だったのですが・・・。
契約書を提示して、預かった通帳と印鑑で出金ができるかと相談に行ったところ、
以下の理由で断られました。
1.契約締結が平成21年。前のこと過ぎる。(お元気なうちに契約するので当たり前。)
2.公正証書にある印鑑が、届け出印とは違う。 (当たり前なのですが・・・。)
3.出金に際しては、委任状原本をゆうちょ銀行が保管する取扱い。
窓口での原本証明も不可。(契約書は返してもらわないと、困りますね。)
4.出金する金額を一回一回明らかにしていないと不可。
結局、包括的な代理権ではなく、口座番号、名義人、出金する金額を特定して、
その都度、本人から委任状を受け取る方法でしか、代理人が出金をする方法はないようです。
ご本人の状態が不安定となり、任意後見人として働くことが必要となって、
それから医師の診断書をもらい、裁判所に任意後見監督人の選任を申立て、
期日を待って、ようやく選任の審判となるまで、随分と日数がかかります。
その間のために締結していた契約ですが、なかなか使えません。
わざわざ公正証書で作成する必要はなかった?そんな気になります。
「コピーして使ってもらっても構いませんから・・・。」背中に声をかけられながら、
仕方がないので、委任状何通かまとめて貰って帰ってきました。
慣れない病院での受診で、不安感を持ってしまったかもしれませんが、
ケアマネージャーさんやヘルパーさんが柔軟に対応して下さることで、
ご本人も、何とか一人暮らしを維持しています。
早くご本人をサポートする態勢を整えて、安心してもらわなければ。
笑顔の輪が広がりますように。
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司法書士佐井惠子
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