成年後見人 家主を探す ☆成年後見vol.9⑰☆

佐井惠子

佐井惠子

テーマ:成年後見と資格制限




こんにちは、司法書士佐井惠子です。
成年後見の仕事は、デスクワーク半分、フィールドワーク半分。
賃借している建物を解約しようとして、家主の連絡先が分からない。
そこで、探偵のように家主を探すことになりました。

ともかく古い家でした。
本人は、特別養護老人ホームに入って、その家に戻ることはありません。
親族もいないので、家を家主さんにお返ししようと考えました。

さて、家賃の振込口座はわかっているのですが、契約書がどこにあるのだかわかりません。
銀行に問い合わせても、もちろん教えてもらえません。
ご近所に尋ねてみましたら、
随分前に、引越したらしいけれど、引越先までは分からないとのこと。

そこで、司法書士の得意分野から探っていきます。
法務局で、建物の登記事項証明書を、地図を頼りに取り寄せました。
よーし!所有者は、大家さんのようです。
ところが、登記簿に載っている住所は、引っ越し前のものらしい・・・。

幸い、この建物は、借地上の建物ということが分かりました。
つまり、地主さんに、建物の家主さんは、地代を払っているはずです。
当然、連絡先を知っているに違いない訳です。

ところが、登記簿の所有者住所地に、またまた地主さんは住んでいません。
ここで、再びご近所に聞き込みます。
同じ地主さんに、土地を借りている方を見つけました。
その方の協力により、地主さんの電話番号を教えてもらって、
地主さんから、大家さんの連絡先を聞き、無事、賃貸借契約の解約を申し出て、
もちろん、裁判所で居住用不動産売却の許可をもらい、
ようやく、明け渡しを果たしました。

そんなことを2年前にやっていたと、家庭裁判所への業務報告書を書きながら思い出しました。

今、大阪家庭裁判所では、成年後見人の報酬付与申立を2年に一度とするよう、指導しています。
事件数の増加で、手が回らないのでしょう。

報告する側は、2年前のことですが、随分昔のことのように思います。
今日は、業務日誌を読み返しながら、思いだし思いだし、報告書を書いていました。

契約書さえあれば・・・。
それがないのが、成年後見業務です。

笑顔の輪が広がりますように。

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親族後見人や市民後見人をなさっている方。
成年後見人の申立をしようと思っている方。
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司法書士佐井惠子
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