いざという時に、財産管理等委任契約は使えるか ☆成年後見vol.9⑳☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
今日は、成年後見人がご本人のマイホームを売却する場に立会ました。
家庭裁判所の許可が必要であることが、普通の不動産売買と異なるところです。
よくあるのは、登記済証(権利証)を紛失していること。
その他、成年後見人による不動産売却ならではのことについて、お話しします。
ご本人の居住用不動産を売買するときには、必ず家庭裁判所に契約締結の許可を求めます。
大阪家庭裁判所では、申し立てをしてより1週間もかからない内に、許可は下りてきているようです。
許可を得たときを停止条件として、契約の効力が生じる特約をつけて売買契約を結びます。
私の場合は、何社かから査定をとって、売買価格が相当であることを粗明しています。
そこでよくあるのが、本人さんが登記済証(権利証)を紛失していること。
大切なものだけに、しまいこんで、どこに保管したか分からなくなってしまっているケースです。
その場合、不動産取引をするために、司法書士が本人確認情報を作成します。
登記申請人が、登記簿上の名義人本人と相違ないことを、司法書士が本人確認書類や周辺事実の聞き取り等から、
本人であることを確信したという文書を作成することによって、登記済証の提出がなくても登記をすることができます。
成年後見人による不動産取引であっても、この場合、必ずご本人にお目にかかり、
そのうえで、成年後見人についても本人確認をして、書面を作成しなければなりません。
その他には、特約で、瑕疵担保責任は免除してもらっています。
成年後見人といえども、その不動産の隠れた瑕疵についてはわかりませんし、
後々追及されても困るので、これは必ず入れています。
成年後見人は、境界確定の立会もしますし、不動産仲介業の方の仲介手数料も、
手付金のときは支払うのを待っていてもらい、残代金の受け取りのときに、全額支払ったりと、
成年後見人ならではの契約をさせてもらっています。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp