成年後見人の医療同意権 ☆成年後見vol.8⑯☆

佐井惠子

佐井惠子

テーマ:成年後見と資格制限

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
成年後見人として、医療とどうかかわったらいいのでしょうか。
予防接種は?胃ろうの採否?足の切断などから始まって、いよいよ危ないときの、人工呼吸器の装着等々。

成年後見人は、医療専門家ではありません。
法的に、成年後見人には、医療同意権はありません。
ご家族がいらっしゃれば、まだその方の同意で進んでいくのでしょうが、
身寄りのない方については、それも難しく、医療の現場においても、この点が、まだまだ理解されていません。

できることは、ご本人の病歴や服用している薬など、説明をし、
ご本人に代わって説明を受け、ご本人ならどう考えたか・・・、
判断する術があればそれをお伝えすること。それが、精一杯です。

いくらかでも、意思疎通できる段階で知り合っていればいいのですが、
既に、それができなくなってからの後見人就任となれば、ご本人なら・・・ということも難しく。

ただ、積極的治療をするかしないか、選択にせまられたときに、
本人が判断することができない状況にある場合、
良かれと思う積極的治療を選択できず、保存的治療にとどめるしかないというのは、
残念に思います。

例え、胃ろうにしても、ご本人の病状が進み、意思表示もできない状態となってしまえば、
「食事もできない人を、栄養を入れて生かしておくなんて」という考えにも一理あるでしょうが、
それによって元気になり、おやつを食べられるように回復し、
気持ちがいいとか、嬉しいとかいう感情を持つことができたのです。
一概に、否定しきれるものではないと思います。

どうしたいか、どうしてほしいか、代わりに言ってあげたいけれど、
でも、人生の最後の最後にどう向き合うかは、やっぱりひとりひとり違うだろうし、
そこは、代われないところだと思います。
入院するとき、施設に入るとき、身寄りのない方にとっては、
将来、いよいよ危なくなったときの医療上の判断をする人がいるかどうか、
そこのハードルが高く感じでなりません。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

佐井惠子プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

佐井惠子
専門家

佐井惠子(司法書士)

佐井司法書士法人

成年後見や家族信託、相続手続き・遺言書作成・遺言書執行業務など、シニアの悩みに応えるため、法律問題に関するワンストップサービスを提供。

佐井惠子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼