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任意代理契約で、財産管理の範囲を自由に定める ☆成年後見vol.8⑨☆

2011年10月17日

テーマ:成年後見と資格制限

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 成年後見 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
任意後見契約を締結すると同時に、任意代理契約(財産管理等委任契約)を締結するにあたり、
今回は、あえて、管理する財産を限定して代理する契約を結びました。

任意後見契約と同時に、任意代理契約(財産管理等委任契約)を締結することがあります。
判断能力低下前から、財産管理を必要とする事情があるケースで、
ご本人の判断能力低下前から低下時へと、切れ目なくご本人の保護を図れる点が、優れています。

この任意代理契約に基づいて仕事をするときは、ご本人の意思能力はしっかりとされていて、
でも、例えば銀行窓口に行けないといった場合を想定しています。
その度に、委任状を作って対応することも考えられますが、
公正証書で包括的に作っておくことで、より信頼される代理権限を証明する文書となるわけです。

一般に、全財産を任意代理契約の範囲とする場合が多いのですが、
必ずそうしなければならないというものでもありません。
今回、任意代理契約(財産管理等委任契約)を締結した方は、十分な資金のある方ですので、
銀行の支店と種類で限定して、契約書を作成しました。

任意後見契約でも、代理権目録によって、任意代理人が仕事をする範囲を限定することはできますが、
それは決してご本人のためにならないので、限定はしません。

ところが、任意代理契約については、全ての財産を管理するという契約にこだわる必要はありません。
なぜなら、この契約が働く場面では、ご本人の意思能力がしっかりとされていることが前提です。
必要となったときからでも、契約を変更できるわけです。

何度も、公証役場に出向いてもらうのは、お気の毒だという気持ちから、
つい、契約書には何でもできるものを、作り直さなくても足りるものを用意しようと思いがちですが、
そこは、ご本人と相談しながら、決めていきます。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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