いざという時に、財産管理等委任契約は使えるか ☆成年後見vol.9⑳☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
後見人は、財産管理以外にすることあるの?という質問をいただきましたので、
具体的にお話しします。
後見人の仕事は、ご本人を保護する立場にあるところから、
自分と同等以上の、善良な管理者に求められる程度の注意を払って、本人の意思を尊重し、
その心身の状態および生活の状況に配慮しなければなりません。
そのために、後見人には様々な権限を与えられています。
その権限を、大きく、財産管理と身上監護とに分けて説明することがあります。
この「身上監護」漢字で、イメージいただけるかと思いますが、
具体的な例をご紹介しますと、
・本人はどこで、誰と住むか
・食事や着替えの介助を含む、本人の日々の生活の世話をどうしてほしいか
・本人は誰と接触し、誰と接触しないでおくか
・内科、歯科、眼科を含む治療の手配
・地域の公共介護サービスを受けるかどうかの判断およびその提供の手配
・本人の社会活動、レジャーへの参加の可否、教育訓練を受けるかどうかの判断、
・本人の私的な通信
・本人の個人情報の入手
・本人の介護又は治療に対する苦情申立 etc.
このようなことに、後見人として関わっていきます。
国が変われば、法律も変わりますが、
イギリスの成年後見を定める法律「意思能力法」「行動指針」は大変参考になるので、
後見のお仕事をなさる方にはお薦めです。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com