「見守り契約」で読売新聞に掲載されました ☆遺言・相続vol.7④☆
こんにちは、司法書士 佐井惠子です。
朝日新聞の2011年1月8日付け朝刊 落合恵子さんの「積極的その日暮らし」。
一部抜粋して、引用させていただきます。
「元旦の夜には、いつも通り遺言書を書いた。それがわたしの書き初めとなって久しい。
この習慣をわたしに遺していってくれたのは、早くに逝った友人だった。
たとえば医療について、たとえば、わたしが営む小さな会社について・・・。
こうこうこういう状態にわたしがなったときは、こうしてください、と。」
落合さんは、親御さんの介護をなさっていたはずです。
だから、医療にしても、経営にしても、
自分が指示したり、あるいは判断できなくなったりしたときに備えることの大切さを、
十分に承知しておられるのでしょう。
特に、オーナー会社の経営者は、ハイリスクです。
そんなところに備えているのは、流石だなと感心しました。
ただ、皆さんは既に気づいていらっしゃるかもしれませんが。
法律用語の「遺言」は、亡くなった後のためのもの。
意識がファジーな状態に備えるものではありません。
「遺言」となれば、亡くなった後に、裁判所で開封するので、
開けた時には、すべてが終わっていたということになってしまいます。
やはり、そういった状態に備えるのであれば、「任意後見契約」です。
会社の議決権の行使についても、指示できますし、
医療行為についても、要望を盛り込むことができます。
とは言っても、先ほどの文章に、妙に正確に、
「任意後見契約書の文案を書初めした・・・etc.」となると、
急に、文章が締まらなくなって、へんてこに・・・!
だから、落合さんは、十分に分かったうえで、
あえて「遺言」という言葉を選んだ?のかもしれません。
司法書士佐井恵子
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