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コラム
町屋建築の特徴は間口が狭く、奥に長いこと。
2016年2月17日 公開 / 2016年3月12日更新
長屋と町屋の建物の共通点には、外観からわかる格子や虫籠窓(むしこまど)、壁の色などがあります。
一方、長屋と町屋では、人と人との関わり方などが異なることがあります。
長屋と町屋の共通点や異なる点を紹介します。
長屋と町屋の建築物で見られる格子や壁の色について
町屋の中でも京町屋の建物には、平格子、出窓格子、腰窓出格子などが設置されています。
糸屋、炭屋、米屋など店によって形状が異なる平格子は、店の表に設置されています。
仕舞屋の表の間に設置されている出窓格子は、千本格子とも呼ばれ、格子目が細かい特徴があります。腰窓出格子は、店の表以外に設置されている格子で、いわゆる出窓です。
長屋に使われている格子戸は、町屋の格子を参考に作られたといわれています。
一方、長屋と町屋の建築物にある壁の中でも、2階にある壁の色は、白、黒、土、灰が多く、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
長屋と町屋の建築物で見られる虫籠窓(むしこまど)について
虫籠窓(むしこまど)は、虫籠の形に似ていることからその名が付けられました。
町屋や長屋の2階に取り付けられている虫籠窓は、角材を粗壁や漆喰でコーティングしたものが多く、形状は時代によって異なります。
例えば、江戸時代中期の虫籠窓は楕円形、江戸時代後期になると長方形になり、明治や大正時代なると、江戸時代後期よりさらに長細い長方形になりました。
ガラス窓が普及しはじめた昭和には虫籠窓は設置されなくなりました。
長屋と町屋の建築物や住民の違いについて
長屋や町屋の建築物は、道路に面した短冊形の敷地に、細く奥深く建てられている共通点があります。
ただ、隣の家と壁を共有しており、何軒かの住居が1つにまとまったものを長屋と呼び、一棟一棟独立した住居を町屋と呼びます。
道路に関しても、商店と住居を兼ねていることが多かった町屋は表通り、住居として使われることが多かった長屋は裏通りに接していました。
一方、長屋と町屋では、住民同士の関わり方も異なるそうです。
特に京町屋に住む人々は、昔から隣の家には、むやみに立ち入らず、生活で使うものの貸し借りや井戸端会議は、行われなかったといわれています。
一方、江戸時代、主に借家として使われることが多かった長屋に住む人々同士の関わり方は、京町屋とは真逆で、義理人情を重視し、助け合いの精神が浸透しており、生活で使うものの貸し借りも日常的に行われ、独自のコミュニティが形成されていました。
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