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町屋住宅の形式『町屋型』と『農家型』の違いとは?

2016年2月9日 公開 / 2016年3月9日更新

テーマ:町屋のリフォーム

コラムカテゴリ:住宅・建物

日本で昔から使われてきた町屋型と農家型の住宅。
狭い敷地を有効に利用した商業用の町屋型、農業という仕事を効率よく行うために工夫された農家型は、それぞれ異なる特徴がありますのでご紹介します。

古来から伝わる代表的な住宅の形式である町屋型について

町屋型とは、京都の古い民家などに見られる都会型住宅の形式です。
当時の都市計画で、可能な限り多くの建屋を道路に面して建設するために、間口が狭く奥行きが長い建屋にする必要がありました。

そのため、町屋型は「ウナギの寝床」と呼ばれるように、通りから奥へとのびる敷地に添って部屋や通り庭を設けています。

当時は、間口の広さによって税金が異なりました。つまり、間口が広い町屋ほど課せられる税金が高くなったため、奥行きの長い町屋が普及したといわれています。

町屋型の、間口が狭く奥行きが長い建屋の形状は、現代ではワンルームマンションに利用されるなど、まさに都会型住宅の礎と言えるでしょう。



日本古来から伝わる代表的な住宅の形式である農家型について

一方、農家型の大きな特徴は、田の字型の間取りと土間です。
農家型では、おくどさん(煮炊きをするかまど)や馬屋などが土間に設置されました。

田の字型に配置された客間や居間といった各部屋は襖で仕切られ、冠婚葬祭など多くの人が集まるときは、襖を外して各部屋を一続きの広い空間にして利用していました。

客間など、格式の高い部屋は南側に、囲炉裏がある家族の過ごす部屋は北側に設けられているのも特徴です。



町屋型と農家型の住宅形式の違いについて

町屋型の通り庭にもかまどなどをおく土間はありますが、農家型の土間とは、使い方や役目が少し異なるものでした。

農家型の土間は、料理などを煮炊きするかまどや馬屋を配置する他に、農機具や収穫した農作物を貯蔵しておく場所としても使われてきました。

町屋型の通り庭の土間は、農家型と同様に炊事なども行える場所でしたが、奥へ奥へと続く部屋へ行き来する廊下のような役目もありました。

さらに、家の表から裏庭までまっすぐに通された通り庭は、採光や通風機能も持っていました。
盆地で、夏は蒸し暑い京町屋は、この通り庭によって涼を取ったと言われています。

なお、採光において、農村地帯などにある日本家屋では、ひさしを長くとり、高く昇る夏の日射しを遮り、冬の低く長く差し込む光を家の中に取り込みました。

昔の住宅は自然とともに生きる知恵が生きているのです。

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この記事を書いたプロ

舘慶仁

古家再生・長屋リフォームの専門家

舘慶仁(リフォームワーク)

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