「自分でやった方が早い」——その判断が、部下を育てなくしている |"手が速い上司"ほど、人が動かなくなる本当の理由

ほめ育コンサルタントの道下真介です^^
「人材育成に、いったいどれくらいコストをかければいいのか」
こんなご相談を、経営者の方からよくいただきます。
研修を増やすべきか、社外セミナーに送るべきか、専門家を招くべきか。
いろいろと試しているけれど、どこかで「本当にこれで合っているのか」という感覚が抜けない。
そのお気持ち、とてもよくわかります。
今日は、人材育成のコストについて、少し違う角度からお話しさせてください。
それは、「かけるべき金額」より先に、確認してほしいことがあるということです。
■ 研修費を増やしているのに、なぜか手元に残らない
人材育成といえば、多くの経営者がまず「研修」を思い浮かべます。
外部講師を招く、eラーニングを導入する、マネジメント研修に参加させる。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
研修に費用をかけながら、「見えていないコスト」が静かに流れていないでしょうか。
私がコンサルティングの現場でいつも気になるのは、「研修費」よりもずっと大きなお金が、
もっと目立たない場所でじわじわと流れ続けているケースが多いということです。
それが、「離職コスト」と「未戦力賃金」です。
離職が起きるたびに、採用費・引き継ぎ工数・新人育成コストが積み上がります。
そして、慣れないうちに辞めてしまった人の賃金。
働いていたのに組織の戦力になれなかった時間。
これが「未戦力賃金」として、見えない形でコストになっているのです。
■ 離職率が半分になったとき、2,000万円が浮いた
ある医療法人(以下、A病院)の話をさせてください。
関わり始めた当初、A病院の離職率は18%でした。
看護師1人を採用・定着させるのに、紹介経由で200〜300万円かかります。
10人の離職を止められれば、それだけで2,000万円以上が浮く計算です。
「ざっくりした試算ではありますが」と私はいつもお伝えするのですが、
現実はこのくらいの規模感になるのです。
しかも離職者が出るたびに、残ったスタッフが指導を引き受けます。
新入りが戦力になるまでの人件費・教育工数。
これが「未戦力賃金」
ここも積み上がりますよね。
A病院では、スタッフ同士の関係性と、日々の承認の仕組みに向き合うことで、
半年で離職率が9%まで低下しました。
採用募集費の削減額は、約2,000万円。
研修費を増やしたわけではありません。
「人が辞めない環境」をつくることで、これだけのコストを止められたのです。
■ 人材育成への投資は、人が定着する環境をつくることから始ま
ここで少し、私の考え方をお伝えさせてください。
「まず能力を高める→その結果として定着・売上につながる」という順番で考える経営者は多いです。
しかし、私は、順番が逆の方が、結果が出やすいと感じています。
まず環境を整えて、スタッフが「ここにいていい」と感じられる職場をつくる。
帰属意識が生まれ、人が定着する。
その後で、研修や能力開発に投資する。
研修を受けた人が次々と辞めていく会社では、学んだことは組織に残りません。
定着した人がいるからこそ、育成投資が積み上がっていくのです。
コストの優先順位は、
「定着の仕組みづくり→能力開発」という順番ではないかと、 私はこう考えています。
成功循環モデルで言えば、関係性の質が上がれば、思考の質が上がり、行動の質が変わり、結果として数字が動く。
この順番は、現場でも繰り返し確認してきたことです。
■ 今日からできること
まずは、こんな計算をしてみてください。
「過去1年で、何人のスタッフが辞めたか」
その数に200万円をかけてみてください。
もちろんケースバイケースですが、その数字が「今、流れているコスト」の目安になります。
この金額が100万円を超えるようなら、研修費より先に取り組むべきことがある。
そのサインかもしれません。
次に試してほしいのは、朝礼の転換です。
「反省と指示出し」で始まる朝礼を、「昨日の良かったこと確認」に変えてみてください。
スタッフが「認められている」という感覚を積み重ねると、少しずつ「ここにいていい」という帰属意識が育ちます。
これが、定着の土台になります。
ただし、本当に御社に合った形で仕組みを設計するには、
現場の状況・スタッフの人数・業種の特性によって、取り組み方が変わります。
■ おわりに
「いくらかければいいか」という問いの前に、
「今、どこからコストが流れているか」を確認すること。
そこから始めると、人材育成の優先順位が変わるかもしれません。
私の公式LINEでは、御社の状況をお伺いしながら、個別にアドバイスをしています。
「うちの場合、どこから手をつければいいのか」
「どれくらいの期間で変化が出るのか」
そんな疑問も、ぜひお気軽にご相談ください。
関わるすべての人が、いきいきと働ける職場づくりを、一緒に考えていきましょう。
あなたのスタッフへのほめ言葉が、明日の定着率をつくる力になるかもしれません。
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