「全員に好かれるリーダー」が、いちばん人を動かせないのはなぜか

こんにちは。
ほめ育コンサルタントの道下真介です。
感謝の言葉を増やす取り組みを始めたのに、
なぜか離職が止まらない。
「ありがとうカードを配り始めました」
「朝礼で感謝を伝え合う時間をつくりました」
「ほめシートも書いてもらうようにしました」
そう教えてくださる経営者の方から、
こんな言葉が続きます。
「でも、それでも人が辞めていくんです」
今日は、その背景にある"ひとつの構造"について、
一緒に考えてみたいと思います。
■ 「感謝の言葉」は道具。道具だけでは届かない
人材育成や社内教育の施策として、
感謝を伝え合う仕組みを取り入れる会社が、増えてきました。
その方向性は、とても大切なものだと感じています。
ただ、ここで一度、立ち止まってみてほしいのです。
あなた自身が、感謝の言葉を受け取って
「ちゃんと届いた」と感じるのは、どういったときでしょうか?
おそらく、
"普段から"自分のことをよく見てくれている方からの
言葉だったのではないかと思います。
逆に、普段ほとんど関わりのない上司から、
突然「ありがとう」と言われたら、
言葉の内容よりも「なんだ?」「なんで今?」という違和感のほうが、
先に立つかもしれません。
つまり、感謝の言葉は
伝える側との「関係性」の上に乗って
初めて機能するものだからではないかと、私は感じています。
そのため、離職率がなかなか下がらない組織に共通して見えるのは
言葉の"量"ではなく、関係性の"質"が、
育ちきれていない、そんな状態なのです。
■ 「あの人からのほめシートは、いらなかった」という現実
「ほめシートを書いたのに、そのスタッフが辞めてしまいました」
もしかすると、そのスタッフには、
その方からのほめシートは届いていなかったのかもしれませんね。
これは、ほめシートが悪いということではありません。
それを使う方との「信頼の土台」がなければ、
道具は道具のままで、心には届きにくいものなのです。
感謝のツールを導入して、言葉を増やした。
でも、関係性の"質"には、まだ手をつけていなかった。
ほめ育の現場で、よく見えてくるパターンです。
「お互いに、いいところを見ようとしている」
その空気がある職場では、感謝の言葉が飛び交っています。
一方で、その空気が育っていない職場では、
同じ言葉でも、どこか上っ面になってしまうのです。
■ 感謝の言葉が増えても、離職が止まらない。/中見出し]
その背景にあるのは、
「関係性の質を育てる前に、言葉の量を増やそうとしている」
という順番のズレなのではないかと、私は捉えています。
ほめ育が大切にしている「成功循環モデル」は、
関係性の質が上がる
→ 思考の質が変わる
→ 行動の質が変わる
→ 業績や定着率という、結果が動き始める
この順番で進んでいきます。
感謝の言葉は、その質を育てるための、大切な手段のひとつです。
ただ、質そのものは、言葉の量だけでは育ちきりません。
相手のお話を聞く。
背景を知ろうとする。
その方の長所を見ようとする。
そうした日常の積み重ねが、必要になっていくのです。
私が関わらせていただいた、ある医療法人では、
リーダーが日常的に話を聴き、
"今日のいいところ"を見つけて伝える習慣を
「関係性の質を上げる」ため、やっていただきました。
すると半年で、看護師の離職率が18%から9%まで下がり
ざっくりした試算ではありますが、
採用募集費の削減だけで、約2,000万円分のインパクトとなったのです。
感謝の言葉が、現場で自然に増え始めたのは、その後でした。
関係性が育ったとき、言葉は、初めて届くようになっていきます。
[中見出し]■ 今日から試してみてください
感謝の言葉を増やすより前に、
一人のメンバーのお話を、5分だけ聞いてみてほしいのです。
「最近、仕事でどんなことが気になっていますか」
「今週、一番力を注いだことは、何でしたか」
これは、評価するための問いではなく、
"理解しようとする問い"
その5分の積み重ねが、言葉が届く土台を作っていきます。
ただし、組織全体で関係性の質を上げていくには、
チームの規模や状態によって、進め方が変わってきます。
なぜなら、画一的なやり方では、届きにくい部分が出てくるものだからです。
■ おわりに
人は、関わりのなかで、少しずつ変化していく生き物です。
だから、ちょっとしたボタンの掛け違いを見直すだけで、
チームや社内の雰囲気は、必ず変わっていきます。
私の公式LINEでは、御社の状況をお伺いしながら、
個別のアドバイスをしています。
「うちの現場には、どんな順番で進めるのが合うのだろう」
そんなご相談も、ぜひお気軽にお寄せください。
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