院長夫人の経理
私どもの院長夫人コーチングのクライアントでクリニック経営のマネジメントに真剣に取り組んでいる院長夫人のコラムをお届けします。
連日、クリニックの雑事、スタッフに関すること、患者さんに関すること、そしてそしてありがたいけど、ちょっと面倒くさい院長に関することに追われます。なおかつ、気の多い私は、ブログ記事を更新しようと思ってもなかなかです。
今日は、先日のクリニック全体研修で初めて、スタッフ自身が講師になったということについて、書いてみたいと思います。
スタッフを講師にしようと思ったきっかけがありました。リーダーナースの不満の声です。
「受付さん、もうちょっと的を得た問診とれんのかなぁ。そんな、両膝も腰も肩も、足首も全部痛いとこって⭕️つけられてもさぁ。もうちょっとつっこんで聞けんのかなぁ。聞いてくれたら、2度手間減って、診察早く回るんやけど、なんでかなー」
というたぐいのことを私に伝えてくれました。
聞き様によっては、受付にとても上からな感じもします。が、言っていることは正しいです。このリーダーナースは、ベテランで大きな病院で多くの経験を積み、主任や師長として管理経験もあり、若手ナースの指導も行ってきた者。
それゆえに、すべての職種にプロ意識を求める厳しめリーダーでもありました。しかし、受付スタッフはほぼ未経験で入職し、長くてもうちの整形外科領域の極めて狭い範囲の経験があるだけですし、そもそも整形外科の問診はこうやってとるのよーと教えたことなどないのです。「首に、両肩、そうそう膝も診てほしい」と言われて交通整理をする術などもってるはずもないのです。
そこで「そらそうやろな、教えたことないもん」と私は返答し、「教えてあげてよ」だって、あなたの言ってること正しいしー。となりました。患者さんの待ち時間対策、院長の負担、診療のスムースな流れなど多くの観点から、問診の精度の高さが
大きなカギを握っていることは明白でした。というわけで「教えよ、問診の基礎」となり30分程度の講義ミッションを作り、日時も決めてしまいました。内容は彼女に全てお任せです。アウトプットによる学びの重要性だけを私からは伝えました。
さて、当日。内容はなんとも素晴らしく、受付の立場で困るであろう事例に対応したものになっていました。
受付からの質問を事前に集めて回答集を作ったようです。翌日から使える内容になっていました。
そして「わからず困った時はナースも一緒に考えるのできいてきてほしい」というメッセージも添えられていました。
研修の最後に感想を共有した時も受付スタッフの問診への意気込みが感じられるほどになっていました。
私もとても勉強になりました。不満から始まった話に、きっちり責任をもってくれたリーダーナースを素晴らしいと思いました。
みんな前で正しいやり方を示せと言われると、尻込みする者が大半ですから。そんなこんなで、私どものスタッフは、うかうか文句を言ったらなにさせられるかわからんでー、となっているはずです。
きっと。たぶん。