先代は生き抜く現実主義で二代目は持続可能と共感を重視
同族.家族経営の会社で、先代の父は過去の成功体験を大事にするが、二代目社長の息子は未来への柔軟性を求め重要と考え、社内で対立します。以下に、その原因と手っ取り早く出来る改善策を整理したいと思います。
世代間のビジネス観とリスク許容度の衝突
会長の「過去の成功体験を大事にする」という姿勢は、自身の成功体験から培われた確固たる経営哲学に基づいています。
会社を成長させてきた実績は紛れもない事実であり、その経験からくる判断は、安定性と堅実さを重視するものです。これは、新しい挑戦に伴うリスクを極力避け、安全な道を選ぶ傾向があります。
一方、二代目社長の「未来への柔軟性を求める」という姿勢は、社会や市場の変化が激しい現代ビジネス環境への適応を重視するものです。
VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれる現代において、企業が成長し続けるためには、旧来のやり方に固執せず、常に変化を取り入れ、新しい価値を創造していく柔軟性が不可欠だと考えています。
この考え方は、イノベーションやデジタル変革といった、未来志向の経営に通じるもとなっています。
この二つの価値観の衝突は、単なる意見の相違にとどまらず、以下のような社内外の問題を引き起こす可能性があります。
意思決定の遅延:
新規事業への投資や組織改革など、重要な意思決定が必要な場面で意見が対立し、決断が遅れる可能性があります。これにより、市場機会を逃したり、競合に対して後れを取ったりするリスクが高まります。
従業員の混乱と士気低下:
経営層の意見が一致しないことで、従業員は会社の方向性が見えなくなり、混乱したり、どちらに従えば良いか迷ったりします。結果として、従業員のモチベーション低下や離職に繋がりかねません。
組織の硬直化:
過去の成功体験に固執しすぎると、外部環境の変化に対応できず、組織全体が硬直化する可能性があります。これにより、企業の競争力が低下し、持続的な成長が困難になることもあります。
改善策1. 共通認識の醸成とビジョンの明確化
会長と社長がそれぞれの経営哲学の背景にある「目的」を理解し、「共通の目標」を設定することが不可欠です。
外部環境の変化への共通認識:
経営コンサルタントを交え、外部環境(市場の変化、技術革新、競合の動向など)がどのように変化しているかを客観的なデータに基づいて共有します。
会長には、過去の成功体験が今後も通用するとは限らないという「適度な危機感」を持ってもらいつつ、社長には、過去の成功が現在の会社の基盤を築いているという「事実」を尊重することを促します。
共通の経営ビジョンの再構築:
会長と社長が納得できる形で、新しい経営ビジョンを策定します。このビジョンは、過去の成功を尊重しつつ、未来への柔軟な対応を可能にするような内容とします。
例えば、「伝統と革新を融合し、変化に対応しながら100年企業を目指す」といった表現で、両者の思いを統合し、全従業員に共有することで、組織全体が同じ方向を向けるようにします。
改善策2. 組織改革の段階的推進と「巻き込み力」の活用
ビジョン達成のための具体的な手段として、組織改革を段階的に推進し、会長や幹部、従業員を巻き込んでいくことが重要です。
小さな成功体験の積み重ね:
一度に大きな変革を行おうとせず、短期的に成果が出やすい小規模なプロジェクト(例:業務プロセスの効率化、新しいITツールの導入など)から始めます。その成果を定期的に測定し、会長に報告することで、社長の提案する「未来への柔軟性」が具体的な成果に繋がることを示し、信頼関係を築きます。
「巻き込み力」の強化:
社長は、会長や他の幹部、従業員を改革プロセスに積極的に巻き込む「巻き込み力」を高める必要があります。
相手の理解と共感:
会長が過去の成功体験を重視する背景にある経験や想いを理解し、共感する姿勢を見せます。その上で、なぜ「未来への柔軟性」が必要なのかを、論理的かつ情熱的に説明します。
具体的なメリットの提示:
改革が個人や会社にもたらす具体的なメリット(例:業務の効率化による負担軽減、新しいスキルの習得、顧客満足度の向上など)を明確に伝えます。
オープンな対話とフィードバック:
オープンな対話とフィードバック: 意見交換の場を設け、会長からの懸念や疑問を真摯に受け止め、丁寧に回答します。また、会長からのフィードバックを積極的に求め、必要に応じて軌道修正を行うことで、会長の意見が尊重されていると感じてもらい、協力体制を築きます。
主体的な行動の促し:
会長や幹部には、具体的な行動を促し、彼らが自ら変革の一翼を担っているという意識を持たせます。例えば、特定の改革プロジェクトのリーダーを任せる、新しい試みに関するアイデアを募るなどの方法が考えられます。
改善策3. 役割分担の明確化と第三者の活用
両者の対立を解消し、協力体制を築くために、役割分担を明確にし、必要に応じて第三者の助言を得ることも有効です。
役割の再定義:
会長には、企業の「守り」や「伝統の継承」といった役割(例:経営理念の浸透、主要な取引先との関係維持、資金調達支援など)に注力してもらう一方、
社長には「攻め」や「未来の創造」といった役割(例:新規事業開発、マーケティング戦略、人材育成、DX推進など)に専念してもらうように、役割を明確に再定義します。これにより、互いの得意分野を活かし、不必要な干渉を避けます。
定期的な進捗共有と調整:
会長と社長の間で、定期的な経営会議や個別面談の機会を設け、改革の進捗状況や課題、成果を具体的に共有します。意思決定のプロセスや責任範囲も明確にし、対立が生じた際には感情的にならず、客観的なデータに基づいて議論し、調整する仕組みを構築します。
社外取締役や顧問の活用:
中立的な立場の社外取締役や経営コンサルタントを招聘し、両者の意見調整役や客観的なアドバイザーとして活用します。第三者の視点が入ることで、感情的な対立を避け、より合理的な判断を下しやすくなります。
結びに
これらの改善策を継続的に実行することで、会長の経験と実績を尊重しつつ、二代目社長が求める未来への柔軟性を会社にもたらし、持続的な成長を実現ができます。
同族.家族経営の特有な問題ですが、お互いの歩み寄る努力によってバランスの取れた、時代の要請に叶った、会社運営の礎に必ずなってくれます。
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