先代は結果で語り二代目社長はプロセスが大事
同族.家族経営の会社で、父親である先代は、俺の背中を見て育ての方針で、二代目は、父の想いを聞きたいと、語ることの力を信じる方針のケースで対立することがあります。社内や家庭でもしばし目立つようになりますす。以下にその原因と手っ取り早く出来る改善策を整理したいと思います。
目次
世代間のコミュニケーションギャップと育成観の衝突
会長の「俺の背中を見て育て」という方針は、高度経済成長期からの日本の企業文化によく見られた、OJT(On-the-Job Training)を重視する育成観の典型です。
言葉で多くを語らずとも、実践を通じて技術やノウハウを体得させる、職人的な「見て盗む」教育を重んじるものです。会長は、自らがそうやって成長してきた自負があり、経験に裏打ちされた経営哲学を持っているため、この方針に強い自信を持っているでしょう。
一方、二代目社長の「父の想いを聞きたい」「語ることの力を信じる」という方針は、現代において重視されるコーチングやメンタリングに通じる考え方です。
明確な言葉での対話を通じて、相手の考えや感情を理解し、共感しながら成長を促すことを目指します。社長は、社員の主体性や自律性を尊重し、透明性の高いコミュニケーションを通じて、組織全体のエンゲージメントを高めたいと考えていると推察されます。
この二つの育成観は、それぞれが持つ時代背景や価値観に根差しており、どちらか一方が完全に間違いということではありません。しかし、コミュニケーションの方法論が異なるため、互いの意図が伝わらず、すれ違いや不満が生じやすくなります。
会長側の視点:
社長が「話を聞きたがる」ことを、自分が十分に示していることへの不満や、口で説明するよりも行動で示すことが重要だという信念からくる、もどかしさを感じる可能性があります。
社長側の視点:
会長が「背中を見せるだけ」で話をしてくれないことを、自分のことを信用していない、あるいは想いを共有してくれないと感じ、心の距離を感じてしまう可能性があります。
このような世代間のコミュニケーションギャップは、同族経営において、特に事業承継のプロセスにおいて、経営戦略だけでなく、組織全体の風土や人材育成にも悪影響を及ぼし、結果的に社社内や家庭内での対立を引き起こす主要な原因となっています。
改善策1. 互いのコミュニケーションスタイルへの理解と尊重
会長と社長がそれぞれのコミュニケーションスタイルを理解し、尊重することから始めます。
「翻訳者」としての第三者の介入:
経営コンサルタントのような中立的な第三者が間に入り、会長の「背中を見て育て」という行動の裏にある「期待」や「信頼」を言語化し、社長に伝えます。
同時に、社長の「語ることの力を信じる」という言葉の裏にある「尊敬」や「共に会社を良くしたいという意欲」を会長に伝えます。
これにより、互いのコミュニケーションから来る誤解を解消し、真の意図を理解する手助けをします。
コミュニケーションの「型」の共有:
例えば、会長には「今日は、〇〇について話したいことがある。少し時間をくれるか?」と具体的な提案を求める形式を、社長には「お父さんの考えをぜひ聞かせてほしい。いつ頃なら時間をもらえるか?」と、質問に対する明確な回答を促すような形式を提案し、互いに共通の対話の「型」を意識して実践するよう促します。
改善策2. 意図的な「対話の場」の創出
自然発生的なコミュニケーションに任せるのではなく、意図的に「対話の場」を設けることが重要です。
「定例経営ミーティング」の設置と議題設定:
会社の方針、進捗、課題について話し合う定例の経営ミーティングを設け、その場で必ず会長から事業に対する「想い」「これまでの教訓」「将来への期待」などを語る時間を設けます。
同時に、社長も自分の取り組んでいることや、そこから得られた学びを具体的に共有する時間を設けます。これにより「背中」と「言葉」の両方から互いの理解を深めます。
個別テーマでの対話の機会:
例えば、「新規事業について」「特定の社員の育成について」「会社の歴史と未来について」など、特定のテーマに絞って、会長と社長が膝を突き合わせてじっくり話し合う時間を設けます。この際、社長は積極的に質問を投げかけ、会長は自身の経験に基づい
た知見を惜しみなく共有する場とします。
「承継ロードマップ」の作成と共有:
事業承継を単なる経営権の移行ではなく、経営哲学やノウハウの承継と捉え、具体的なロードマップを作成します。
このロードマップには、会長から社長へ伝えたいこと(技術、顧客との関係、経営判断の基準など)をリストアップし、それらをどのような方法(OJT、口頭での説明、共同でのプロジェクト参加など)で伝えていくかを明記します。
これにより、会長は「背中」で見せるだけでなく、何をどう「伝える」かという意識が芽生え、社長は「何を」学べば良いかが明確になります。
改善策3. 社員の巻き込みと両方の育成観の活用
社員を巻き込むことで、会長と社長の育成観の良い面を融合させます。
「メンター制度」の導入:
会長をメンターとし、社長や若手幹部が会長から直接指導を受けられる機会を設けます。これは、会長の「背中を見て育てる」という方針を、より体系的で意図的な育成プログラムとして昇華させるものです。
同時に、社長はメンターとしての会長の「想い」を、他の社員に「言語化」して伝える役割を担います。
「成果発表会」の開催:
社員が自身の業務成果や学びを全社に発表する場を設けます。この際、会長は社員の努力と成果を「背中」で認めつつ、具体的なフィードバックや期待を「言葉」で伝える機会とします。
社長は、「語ることの力」を信じ、社員の発表から学び、それを組織全体の成長に繋げるための対話を促進します。
フィードバック文化の醸成:
ポジティブなフィードバックと建設的なフィードバックの両方を重視する文化を醸成します。「見て学ぶ」だけでなく、「言葉で伝える」ことの重要性を全社員が認識し、実践することで、コミュニケーションの質が向上します。
結びに
これらの改善策を継続的に実践することで、会長の経験と社長の新しい発想が融合し、強固な企業文化と持続的な成長を実現できると思います。会長と社長の生きた時代背景や立場の違いがあり、どちらにも一長一短があります。
両者の対立は価値観の大きな違いではなく、また誤ったモノでもありません。根底にあるのは、会社を良くしていきたい、永続させたいとの思いが共通しています。お互いの行き違いに気が付けば、必ず解決できます。家庭内の対立も、会社の成功を通じて自然と解消されますので、今期強く取り組んでいくことが大切です。
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