コラム
○ロックアウト○
2024年2月12日 公開 / 2024年2月20日更新
自力救済とは異なる問題
実力行使と自力救済
個人が司法手続きによらずに自己の権利を実現する、いわゆる自力救済は原則として禁止されています。
ドアの鍵を交換し(ロックアウト)借主を閉め出すことにより、未払賃料の支払いを求める追い出し行為は、自力救済とは少し異なる問題だと思います。
貸主は、鍵を交換し借主を本件建物から閉め出すことによって、間接的に未払賃料を求める行為は通常許される権利行使の範囲を大きく超えるもので、借主の平穏に生活する権利を侵害する行為であり、明らかに不法行為といえそうです。
自力救済とは異なる問題
貸主が借主の財産を直接取り上げて弁済に充てるというような自力救済をしたわけではなく、ロックアウトという圧力をかけ間接的に未払賃料を支払わせようとする行為は、もはや自力救済の問題ではなく、権利の実現の方法としての問題だと思います。
また、貸主が本件建物の賃貸借契約を解除していなければ、貸主は借主に対して建物の明渡しを求める権利をも有しておらず、貸主がロックアウトによって事実上借主の建物占有権を排除しているのは、自力救済とは異なる問題ではないかと思います。
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