契約締結の当日になって契約をやめた人の責任は?

宮本裕文

宮本裕文

損害賠償責任を負うとされた事例もあります。


●売買契約の締結に向けて当事者双方が準備を進めてきたところ、契約予定日の
当日になって一方の当事者が白紙に戻したいなどということは、信義則上の注意
義務違反であり(注1)、相手方に生じた支出等について損害賠償責任を負うとさ
れた事例もあります。

(注1)「信義則とは」=信義誠実の原則。相手方から期待される信頼を裏切ること
のないように、誠意を持って行動すべきであるという原則。 (抜粋)


未だ売買契約が成立していないからと一方当事者が自由に契約締結を取止める
ことはできないという考えは、「契約締結上の過失」(注2)といい、通説・判例上で
も認められています。その成立の根拠となるのが「信義則違反」となります。

(注2)契約締結上の過失=成立前の契約当事者の一方による 一方的な交渉
中止行為の法的責任を基礎付ける理論を「契約締結上の過失」といい ます。


また、売買契約に限らず、賃貸借の場合でも、契約締結の前であれば自由に契約
締結をやめることができるとの考えは間違いであると思います。

しかし、契約の締結交渉に入った以上、もはや契約を取止めすることはできないとい
うことではなく、正当な理由もなく契約締結を拒否した場合は、それによる相手方の
損害について賠償責任が生ずるということです。


新築の分譲マンション ポンプ室の騒音。


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