住宅ローン控除(2024年以降の変更点)
医療費控除の特例の創設
現行の医療費控除とは選択制で、年間1万2000円を超える一定の医薬品を購入した場合の医療費控除(所得控除)の特例が新設されます。
この制度は、スイッチOTC医薬品(注1)によるセルフメディケーション(自主服薬)推進の趣旨から設けられる制度です。
これは、国民が自発的に適切な健康の維持促進や疾病予防に取り組むことによって、健康寿命を延ばし、その結果として、国の負担する医療費の削減を目的として創設されました。
平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる一定の「スイッチOTC医薬品」の対価を支払った場合において、その年中に支払ったその対価の額の金額が1万2000円を超える時は、その超える部分の金額(8万8000円が限度)について、その年分の総所得金額等から控除されます。
(注1) スイッチOTC医薬品とは医療用から転用(スイッチ)された一定の一般用医薬品等で医師の処方がなくても購入できるものです。OTCはカウンター越しの対面販売という意味です。
「スイッチOTC」年間購入額(10万円が限度)-12,000円=所得控除額(最高88,000円)
この制度を利用した場合、仮に年間4万円の市販薬を購入すれば、2万8000円が課税所得から減額されるという制度です。
=注意点=
この「スイッチOTC薬控除」の適用を受けるには、医師が関与する下表の5つの取り組みが限定列挙されました。①~⑤のいずれか1つに該当すればよく、医薬品との紐付けまで求められないようです。また、確定申告を行う際に申告書と医師の関与を証明できる領収証等の提出が必要です。
なお、この特例は、「従来の医療費控除」との選択適用とされていますので、どちらか一方しか適用できないことに注意が必要です。
①特定健康診査(いわゆるメタボ検診)
②予防接種
③定期健康診断(事業主健診)
④健康診査(いわゆる人間ドック等で、医療保険者が行うもの)
⑤がん検診
スイッチOTC薬控除の対象となる特定一般用医薬品等については、厚生労働大臣が告示において、風邪薬に含まれるイブプロフェンや解熱剤に含まれるロキソプロフェンなど82の成分が定められました。
告示で示されたのは成分のみにとどまり、具体的な医薬品名が分かりにくいことから、厚生労働省が今月中下旬に対象となる医薬品名の公表に向けて準備をしているようです。