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塩原真貴プロのご紹介

原価公開、既存住宅の改修で建築業界に切り込む。情熱を持った若きフロントランナー。(1/3)

手描きの図面にこだわると言う塩原さん

会社倒産という経験を経て掴んだ誠実の形。

 2011年4月に建築士事務所、しおはら住宅デザイン設計を設立した塩原真貴さん。現在、県内を中心に住宅の設計を手掛け、充実した日々を送る塩原さんですが、その道のりは決して平たんなものではありませんでした。

 2011年3月8日。当時、塩原さんが勤めていた設計士事務所が倒産しました。従業員は全員解雇、経営者は行方をくらまし、依頼されていた12軒の住宅は工事途中のまま投げ出されました。混乱の最中にあったその直後、東日本大震災が発生します。この時、塩原さんの中でなにかが弾けたといいます。

 「お客さんにとっても大変な時だからこそ、今、自分にできることがしたいと思ったんです」。塩原さんは投げ出された12軒の住宅工事を再開させるため、債権者である各工事業者や職人さんの元へと駆け込みました。そして、どうしても工事続行の目途が立たなかった3軒の依頼を交通経費のみで請け負うことを決意します。設計士事務所を設立させ、5月には工事を再開。しかし、資金不足から作業は思うように進みませんでした。そんななか、救いの手を差し伸べたのは、これまで塩原さんが手がけた住宅の依頼者の方々でした。

 「総勢30人は集まってくれました。みなさん無償で壁の塗装や内装の塗り壁を手伝ってくれたんです」。11月、無事3軒の住宅工事を完遂させた塩原さんはこの時、もうひとつの決意を固めました。「辛い時に自分を信じてついてきてくれたお客さんや職人さんは宝なんです。だから、とことん誠実でいようと決めました」

 しおはら住宅デザイン設計では、依頼者が設計と施工を別で発注する「分離発注」を行っています。塩原さんは、設計を依頼されると依頼者に職人を紹介し、依頼者は自ら職人と契約を結びます。これにより、原価が公開され、中間マージンが入らないため大幅なコストダウンが実現します。これが、しおはら住宅デザイン設計の特色である「ガラス張りの金額」。これまで見えにくかった住宅の価格を丸裸にする、塩原さんが依頼者へ見せた誠意でした。

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