知的財産に関する最近の動き
今、まさに時代の大転換期の渦中にあり、様々な分野でトレンドの変化が起きています。
最近、SNSの威力により選挙の勝敗が決まるなど、「SNS戦略」が話題になっています。ちょっと前の時代では考えられなかったことです。SNSの発展と普及は、社会の大きなトレンド変化を示しています。
今まで、社会は、ある種の階級的に成り立っていました。しかし、SNSにより水平的な社会になり、選挙の場合、国民一人一人の声が、良くも悪くも選挙結果の勝敗を左右するようになっています。
見方を変えれば、上から下への縦の情報伝達となる一方向的な伝達モデルが低下し、左右間における横の情報伝達となる双方向的な伝達モデルが拡大しています。
この結果、個人個人の本質的な部分がいままで以上に問われることを意味しています。表面的な部分、つまり、嘘やごまかしは、いずれ暴かれることになり、本質的な中味の部分が問われてきます。
一方、知的財産権の分野でも、SNSの影響が及んで来ています。SNSが無い時代、商品やサービスに関する情報は、TVコマーシャル等による一方的な情報発信により、いわばオープンの状態で広く拡散されていましたが、SNSの普及により、商品やサービスの情報は、口コミ的に拡散、いわば半クローズドの状態で拡散されています。
このため、商品やサービスに関する情報が消費者にダイレクトに伝達されるメリットがある反面、その商品やサービスのアイデアが、真似されたり横取りされるおそれもあり、その対策も必要になります。
ビジネスシーンでは、社会の水平的な繋がりによって企業の大きい小さい等の定量的な価値判断よりも、個別の特徴や個性等の定性的な価値判断が相対的に重要になってきます。
企業の場合、特に、中小企業は、独自の特徴ある商品を生み出すことにより、知的財産権で保護しつつSNS等により情報発信すれば、過去には考えられない力によりビジネスを進めることができます。
知的財産権では、特許権によりアイデア(技術)を保護することができることに加え、意匠権によりデザインを、商標権によりネーミングやマスコット等のマークを保護することができます。
もちろん、前提として良い商品や良いサービスの提供が必要であり、その本質が問われる点は、先に書いたとおりです。このため、悪い商品や悪いサービスを提供した場合、直ぐに企業の衰退を招いてしまうという怖い側面もあります。
このように、中小企業やスタートアップ企業であっても、本質的に良いアイデアの商品やサービスを提供し、「知財戦略」+「SNS戦略」の組合わせにより、強力な「ビジネス戦略」を実現できる時代になっています。



